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うつくしい人

うつくしい人

うつくしい人

作家
西加奈子
出版社
幻冬舎
発売日
2009-02-01
ISBN
9784344016347
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うつくしい人 / 感想・レビュー

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Aya Murakami

SKE48文庫 他人からの評価が気になってしかたない主人公。引きこもりの姉を嫌っている描写があったのですがかなり早い段階で姉にあこがれも抱いているのかも?と勘繰りましたがビンゴでした。ひきこもりながらも自分というものを持っているうつくしい人の姉と自分を捨て去って思春期に入るといじめに虚栄心三昧のみにくい人である主人公。ラストで主人公は「姉になりたい」と思うようになるのですが、現実は自分は自分にしかなれないわけです。そんな当たり前のことに気づくのはいつのことになるのでしょうか?

2020/06/09

昂 ふたたび

「いつも、これで合っているのか?間違っていないか?誰かに答えを聞かないと不安になる。」私も、痛いほど分かる。自分に自信がない。だから、人の目が気になってしまう。常に満タン状態です。私だけじゃないと少し癒されました。百合さんが誰かのうつくしい人になれますように。

2015/09/03

七色一味

読破。なんと言うか──、重苦しくて逃げ出してしまいたい──、病的なまでの圧迫感が、最初の数行からも伝わってきて、それ以降、どのページを読んでも圧迫感と閉塞感に追い立てられるような──。それでいて読み手を惹きつけて離さない──。そんな作品。自分のこと、姉のこと、元上司のこと、バレエシューズのこと──ほんの些細なことの全てが、剥き出しの神経を触るようにクローズアップされて胸に迫る。

2013/02/07

毎日毎日他人の目に晒されて、間違ったらいけない、誰もが羨むような日々を送らなくてはと、どんどん心が重たくなっていく。あったようでなかったような自分、らしきものが歪みバランスが取れなくなる。いい歳して中二病かと言われればそれまでだけれども、今の私も似たようなもの。彼女の心情を辿ることが苦しくて仕方無かった。何もかもが、重いのだ。欲しいものも欲しくないものも、大切なものもそうでないものも必死にかき抱いてるのだから。彼女と一緒に、私も何かを置ける気がした。ずっと、許してもらいたかった。自分を見つめる、自分から。

2013/01/24

優希

スッと心に入ってきました。最初はプライドの高そうなヒロインが好きになれなかったのですが、旅先で坂崎さんとマティアスさんという2人の男性に出会ってから印象が変わっていきました。あんなに猜疑心が強く、人の目を気にし、小馬鹿にするような態度だったのにどんどん自分の心に素直になっていくのが好ましかったです。かといって共感できるかと言われるとそうではなくて。でも物語の世界が心地よく浸れる感じでした。流れる時間が皆の心を解放していくのでしょうか。最後の「みんなうつくしい人」の一言は救いでした。

2014/08/30

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