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後悔と真実の色

後悔と真実の色

後悔と真実の色

作家
貫井徳郎
出版社
幻冬舎
発売日
2009-10-01
ISBN
9784344017382
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後悔と真実の色 / 感想・レビュー

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starbro

貫井徳郎は、新作中心に読んでいる作家です。新作の『宿命と真実の炎』の前に旧作で未読の本作を手に取りました。最初、連続殺人の刑事物だと思って読み始めましたが、思わぬ展開でワクワクしながら、500P強一気読みしました。山本周五郎賞受賞作らしく、人物も丹念に書き込まれており、単なる刑事物とは異なります。本作は、貫井徳郎のMyBestかも知れません。続いて『宿命と真実の炎』へ。

2017/06/07

utinopoti27

都内で若い女性が次々殺害され、人差し指が切り取られる事件が発生する。ネットを巧みに利用し、犯行予告で捜査陣を振り回す「指蒐集家」とは何者か。本作では、猟奇事件の謎を追いつつも、主人公・西條ほか、捜査にあたる刑事たちの内面を深く抉り込んでいきます。事件解決という目的を共有しながら、手柄を巡って牽制し合う男たち。不器用な生き方しかできない彼らにあって、西條にいたっては不倫を暴かれ、家庭崩壊の挙句、職を追われホームレスに。自己顕示欲の強さゆえ墓穴を掘る犯人とともに、人の卑しさ愚かさを徹底して描ききった意欲作。

2019/05/21

まこみん

新作を図書館で予約中で、その前に表紙色違いのこちらがある事に気付いて先に読む。警視庁捜査一課九係の西條は仕事は名探偵と言われる程出来るが、人間関係には無頓着、夫婦間は冷えきり、逃避し不倫中の彼女がいる。同僚や捜査仲間も癖のある聖人君子とは言えない面々。指を切断された連続女性殺人事件を追う中で、西條の不祥事が発覚し辞職。全てを失った転落の生活は衝撃的。彼女をも殺された西條の渾身の推理は…犯人の予想はしたけれど辻褄がああだったとは。誰にも共感出来ないと感じながら読み進んだが、最後には西條を応援していた。

2017/09/18

takaC

推理小説と警察小説の二兎を追い、どっちつかずになってしまった感じ。(読者には)すぐわかる犯人も、賢いのか間抜けなのかよくわからない。

2010/10/06

ちはや@灯れ松明の火

脳裏に、心に、染みついて拭い去れない色がある。この手がまだ、大切なものを守れると信じていた頃。赤く塗り潰された骸、奪い去られた指、ネットに響く連続殺人鬼の嘲笑。焦燥、嫉妬、保身、侮蔑、野心、閉塞、孤独。警察組織という檻の中、牙と傷を隠し持つ刑事達の中に幾つもの感情が渦を巻き、入り混じった色はやがてどす黒く濁る。守るためにあると疑わなかったその手が、真実と共に掴み取った、絶望、空虚、後悔。悔やんでも、嘆いても、二度と取り戻せないものがあり、失った後でようやく知るものがある。消え去ることのない、苦い色を。

2011/10/06

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