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その桃は、桃の味しかしない

その桃は、桃の味しかしない

その桃は、桃の味しかしない

作家
加藤千恵
出版社
幻冬舎
発売日
2012-04-25
ISBN
9784344021716
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その桃は、桃の味しかしない / 感想・レビュー

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優愛

平井さんの不倫相手である奏絵とまひるの同居生活が綴られた本書。まひるの口癖は「奏絵ちゃんはいいね」全然好きそうじゃないのに、好かれてて。何でも出来て、何でも手に入って、辛いことなんて全然無さそうで。でもね、きっと違う。奏絵は口に出せないだけできっとまひるを妬んでた。「くっきりとした二重の目はくりっと丸く、柔らかそうな髪の毛と同じ、淡い茶色をしている」何度も作中で繰り返されていたこの一文。さぁ、依存はおしまい。桃の放つ甘美な香りが立ち込めるあの部屋から逃げ出した二人に待つ未来に平井さんがいるのかは想像次第。

2015/07/16

読んだのに読了になっていなかった本。主人公と同じ男の愛人同士が一緒に暮らしているという奇妙な恋愛小説。主人公目線で進んでいくのですが、「私なら耐えられないなぁ。出ていきたくなるなぁ」という理不尽なシーンもあり。男に腹が立ったり同居人まひるに腹が立ったりしました。そんなふうに思わせようという企みならば、ばっちり作者の思うツボにハマりました。絶対2人とも本当の幸せが来ないんだろうなぁと思いました。。年を重ねると現実を見てしまいます笑

2014/01/15

taiko

高級マンションでルームシェアをする奏絵とまひる。 2人の共通点は、40代既婚者の愛人であるということ。… 非現実的だけど、とても興味深いストーリーでした。 語り手が奏絵のため、有り得ない設定が淡々と語られ、入り込みやすかった。 この環境で、まひるが壊れていくのは当然のこと。 平井は最悪の男だなと嫌悪感を感じます。 奏絵が自分を見失わなくて良かった。 出てくるご飯が、平凡でもどれも美味しそう。 2人とも幸せになれるといいなと思います。

2018/05/13

わった

一人の40代の男性には、若い愛人が2人いました。その2人の不思議な同居生活が描かれています。夫1人妻1人という日本の常識を破り暮らす彼女らはとても不安定な気持ちを抱えながら日常を送っていきます。とても不思議な感覚の小説でした。加藤先生の恋愛小説ではたいていの女性が不幸になるのですが、今回は少しだけ希望が見えた終わり方でした。二人には幸せになって欲しいなぁ。

2016/01/21

アコ

「好きなんだけどなぁ加藤さん。」というのが率直な感想。「同じ不倫相手を持つという二人の女性(奏絵・まひる)の同居生活」という設定があり得ないものでどうなるのかな?と読みやすい文章に乗せられての休日の一気読みになるも、んーなんだろう、先日読んだ『アンバランス』でも感じたけども終盤がとても雑な印象を受ける。あと平井さんも奏絵も人物像が浮かびにくい。まひるがすこぶるわかりやすいだけに気になる。また「なぜそうなったの?」が多すぎて、それが薄っぺらさに繋がるというか。面白いテーマゆえ全体的に濃厚さが欲しかった。

2016/04/25

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