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誰もいない

誰もいない

誰もいない

作家
小手鞠るい
出版社
幻冬舎
発売日
2012-10-12
ISBN
9784344022591
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誰もいない / 感想・レビュー

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優希

凄く苦しい2つの恋愛でした。杏子とミッキー、みずきと明典の単純ではない恋。不倫だけれど、本気で激しい恋だからこそ苦しかったです。2組の恋愛が穏やかに交差していく中で、どんどん切なさがこみあげてきました。結末がうっすらと見えて来るのが悲しい。矢張り不倫の恋は許されない恋。それぞれが最後に1人になる決断が辛かったです。でもそこに凛とした女性ならではの強さを感じずにはいられません。

2016/04/07

風眠

道ならぬ恋は花火のよう。真っ黒い心の中、パッと咲いて、パッと散る。どーん、どーん、と、打ち上げられた花火は刹那の余韻を残し、終わるから美しく、そして寂しくもあるのだ。星も月も輝かない、真っ黒な夜空の真ん中で、愛おしさと憎らしさがせめぎ合う。それはものすごく苦しくて、醜い感情。もっともっと私にハマればいい、奥さんにはできないことを私がしてあげる・・・という黒さをもっと前面に押し出して、とことんエロくしたほうが、女の哀しさと、男の狡さのコントラストが際立った名作になったかもしれないな。きれい過ぎて惜しい感じ。

2017/05/06

あつひめ

お🄱の言葉に興味を惹かれて手に取った。30年前だったら杏子とみずきの道ならぬ恋を本の中で疑似体験して切なさや些細な喜びを味わったかもしれない。今の私には、このおままごとのような暮らしぶりが、二度と取り返すことができない大事な時間を食いつくしているとしか見えなくなっている。恋愛の形は人さまざまなれど…。不倫とは裏切りと裏切りの積み重ね。小手鞠さんの甘いく切ない中にグサッと言葉を突き付けるのがいい塩梅になっている。未来のない恋の中にみんなが幸せになれる光なんてあるのだろうか。

2023/03/14

*さくら*

楽しい。悲しい。嬉しい。辛い。恋するって、愛するってあれこれの感情がごちゃ混ぜになって。好きな人と自分と境目がどんどんなくなっていくような錯覚をおこしちゃう。好きなだけで、楽しいだけで一緒にいることはできなくて。結婚を選ばなければゴールといわれるものはなくて。だからこそ必ず終わりはやってくる。好きだって寄り添ってきながら、毎日、家へ戻っていく男の人達の心理って何なんだろう。杏子とみずきの下した決断と彼女達の気持ちが痛くて苦しい。中々こんなに潔くは思えないけれど。過ごした日々や時間はきっと無駄じゃない。

2019/03/21

Shinobi Nao

こんなにも、発光するくらい熱を帯びた気持ちで、誰かを「待つ」なんてもはや私の人生ではありえない(多分)けど、そういえば過去には自分にもそんな気持ちになったことがあったなあと思い出しながら読んだ。途中で「もうヤダ!」と読むのをやめたくなるような苦しさもあった。一方で、二つのカップル(どちらも不倫)のいちゃいちゃしてる感じがわりとしつこくてお腹いっぱいでもあった。

2016/04/18

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