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歓喜の仔 上巻

歓喜の仔 上巻

歓喜の仔 上巻

作家
天童荒太
出版社
幻冬舎
発売日
2012-11-22
ISBN
9784344022874
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歓喜の仔 上巻 / 感想・レビュー

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パフちゃん@かのん変更

永遠の仔は感動作でしたが、こちらはひたすら重くて可哀そうで・・・読むのが辛くなりました。従兄に騙されて保証人になり莫大な借金を作った上にいなくなった父、心のバランスを崩して窓から落ち、植物人間になって子どもたちの介護を受ける母。そしてその借金を返すためにヤクザの言いなりになって犯罪に加担する兄弟。寝たきりの母の介護を一人で担う小6の弟。死んだ人が見えてしまう妹。母は金持ちの一人娘だったはずなのに親戚の援助もなく、行政の支援を要請する大人は誰もいないと言う理不尽さ。どうよこれ・・・(-_-;)

2014/01/01

文庫フリーク@灯れ松明の火

黒い模造紙の上に氷砂糖状の粉を広げる。粉状の中の結晶体。クレジットカードを上に置き、力を込める。ぴしっと結晶が割れる音が響く。氷のかけらのような結晶の塊全てを粉状にして、計量スプーン使い4センチ四方のポリ袋へ0・45g。安息香酸ナトリウムカフェイン‐通称「アンナカ」を0・05g混入し、シーラーで袋を閉じる。これで約0・5gの覚醒剤の包み、通称「一万円パケ」が完成。この「アジツケ」と呼ばれる作業を深夜行っている兄弟‐兄の誠は高校中退の17歳。弟の正二は小学6年生。 父が連帯保証人として被った多額の→続く

2012/12/22

紫 綺

天童荒太久しぶりの新作。やはり暗く重苦しいテーマに、心が傷む。とことん落としておいて、射し込む光を描いていくのか・・・期待を込めて下巻へ。

2013/02/24

藤枝梅安

「永遠の仔」を読んだのは2000年の7月だった。長い時間かかって苦労して読んだ。読み終えてから熱を出したほどだった。「家族狩り」は2007年10月、「悼む人」「静人日記」は2010年2月に読んだ。「歓喜の仔」は冒頭から厳しい現状が次々と語られ、救いがない展開。章ごとに視点を変えて、文体も読みやすくなっている。語られる状況も具体的で今風になっている。が、その分抽象性が薄れた感がある。共感を覚えるのは嘘っぽいし、「救い」や「解決」を望むのもわざとらしい。一人の傍観者として成り行きを見守ることしかできない。

2013/02/22

ケイ

子供たちが悲しく不幸ながらも強い。親戚の借金の保証人になったために、借金が返せずに消えた父親、絶望から事故で寝たきりになる母親。三人の子供たちは家ではみんな荒れているようだが、他人にはとても優しい。特に自分たちのような苦しい境遇にあったり、より苦しんでいる人達に対しては。生きる強さはそれでも家族でいるからだろうか。下巻では希望があるといいな。

2014/05/19

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