旅の窓
旅の窓 / 感想・レビュー
ぶち
沢木耕太郎さんも『深夜特急』では写真を撮っていませんでした。1990年になってミレニアム最後を写真に撮りたくなったそうです。"カメラを持っているだけで風景だけでなく人々の姿形や行為までもが違って見えてくる。あらゆるものが新鮮でスリリングに見えてくるようになった"と後書きで述べています。この本に掲載されているのは、景色やにこやかな笑顔といった一見何気ない写真です。でもそれは、世界各地で沢木さんがスリルを感じて撮った写真です。添えられた短い文章で私にもそのスリルという新たな視点を感じさせてくれました。
2019/04/11
pdango
沢木耕太郎さん、懐かしい。深夜特急読んで沢木さんの旅の仕方に憧れ、1度、講演を聴いたときのダンディーな印象も忘れられない。これは旅の写真と短いエピソードで、おしゃれ。
2018/10/18
kinkin
著者が旅で出会った人・場所・物が写真とエッセイで綴られている。最初のページにフィルムカメラのことが書かれていた。デジカメ全盛の今、撮った写真はその場で確認できる。失敗しても撮り直せる。逆にフィルムカメラは旅先の思い出や出来事をそのままフィルムに閉じ込めて持ち帰るわけだから、なるほど写真としてみればそこで違うはずだ。フィルムカメラと共に出る旅は贅沢な時代だと感じた。図書館本。
2015/09/19
ぶんこ
薄い本なのですが旅情に溢れていました。見開き1ページの左に写真、右に文章。沢木さんの感性がズドンと響いてくるようです。特に海や砂漠、空などの自然の写真に小さく写っている人や船が、見事に自然の素晴らしさを引き出しているのに驚きました。もし自分が同じ風景を撮ろうとすると、人が邪魔だと思ってしまうでしょう。風景の中のたったひとつの点のような存在が、こんなにも観る人にインパクトを与えるとは。サハラ砂漠に立つ1人、チベットの何もない乾燥地帯の1本道の右隅に馬車等々。またネパールの老女やベトナムのおじいさんが印象的。
2019/04/02
リコリス
家の前でゆっくりゆっくりとじゃがいもの皮を剥く老女に素晴らしい人生を感じる…旅の途中で出会う風景の向こう側に自分の心の奥をのぞいた気持ちになる…そんな沢木さんの写真とエッセイ。娘さんが小さい頃「やっぱりお父さんは末っ子だからなあ」「顔が末っ子だもん」って(笑)確かに末っ子顔ってあるかも。旅をなぞってはいけない…でも、あの時のあのお店、あのお料理、あのおじちゃん、どうなってるかなあってなぞってしまいたくなる気持ちわかります。やっぱり旅っていいなぁ。
2017/05/28
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