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骨を彩る

骨を彩る

骨を彩る

作家
彩瀬まる
出版社
幻冬舎
発売日
2013-11-27
ISBN
9784344024908
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骨を彩る / 感想・レビュー

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めろんラブ 

私はなぜ小説を読むのか。世の中には他に多くの楽しみがあるのに。単に趣味だからという理由の奥にある本当に、思いがけず対面させられてひるむ読書体験は久しぶり。おそらく本作の物語世界に感応したからだろう。誰かを、何かを、失うこと。また、持つ者と持たざる者の齟齬。それらが醸す普遍的な哀しみ。彩瀬さんが繊細に紡ぐ一篇一篇はどれも切実であるのに、とても優しい。心の欠落を埋めるために物語を必要とする。それは、きっと私だけではないだろう。そういう読者に、そっと手を差し伸べて、ほのかに微笑む聖母のような一冊と感じた。

2016/04/14

文庫フリーク@灯れ松明の火

家の敷地の一廓に銀杏(イチョウ)の木が有ります。子供の頃見上げた木は、当時簡易舗装だった道路の黒い路面を黄色く染めていました。歳を重ね幹の太くなったその木は、上を通る電線の妨げとなるため、張り出した枝と先端の大部分を伐採しました。人ならば致命傷負いながら、逞しい木は細い枝を天に伸ばします。この冬も、伸びた先端の細い枝を切りました。来し方を振り返れば、さまざまな都合や苦渋の決断、あるいは気まぐれで、どれほど伐採-取捨選択を重ねて来たことでしょう。多くの選択肢の中から自分が選んだ人生・選ばなかった人生→続

2015/05/17

いつでも母さん

彩瀬まるの中で最も好きな作品だった。小春に同化していた(こんなオバサンなのに・・汗)『やわらかい骨』が特に好み。娘の持つ心の揺れが良い。この辺が上手いですね~!亡くなった妻であり母である朝子が残した手帳・・私はずーっと書いてる『日記』焼却してから逝きたいと思ってしまった(現実問題)おっと、話が逸れたがこの作品で『彩瀬まる』なかなかやるなぁと感じた読後でした。

2015/08/11

ちはや@灯れ松明の火

一番深いところでわたしを形作っている骨を、誰も見ることはない。骨のどこかが足りなくて、黒く蝕まれていることを、誰も知らない。知られてはいけないと素知らぬ顔で取り繕ってきた。薄らいでいく面影、疼き続ける傷跡、あのひとはもういない、あのひとにはなれない。欠け落ちた部分から目を逸らしていた。沈黙を埋めるように撫でられた手のひらの温度が、隔てた距離を結ぶように奏でられる音色が、冷えた骨の奥へと染みわたっていく。北風が染めたイチョウの葉が黄金色の雨となって降り注いでは、わたしを支え守る骨をまぶしい光で彩っていく。

2015/07/16

❁かな❁

とても良かったです♪彩瀬まるさんは以前『あのひとは蜘蛛を潰せない』を読んで追いかけたい作家さんの一人になりました!5編からなる連作短編集。連作短編集すごく好みです!彩瀬さん、心理描写を優しく丁寧に描かれていてとてもいいです☆『指のたより』『ハライソ』『やわらかい骨』が特に良かったです!中でも『ハライソ』がお気に入り♪ラストの方の男の子の心の声が可愛くて微笑ましかったです♡親子、恋人、お友達などの日常の出来事なのですがとても繊細で温かくて素敵☆装丁はあのシーンだなぁと嬉しくなりました♪彩瀬さん、いいですね★

2014/03/10

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