土漠の花
土漠の花 / 感想・レビュー
遥かなる想い
ソマリアにおける自衛隊の 壮絶な物語である。 アキスラという部族の娘を 守りながら、続く逃避行… 自衛官たちが、あっけなく 倒れていく様は、衝撃的で、 迫り来る日本の近未来を 表しているのだろうか。 描写の視点が自衛隊の メンバーから離れず、 ぶれないのがよく、 まわりの情勢が全くわからないという 不気味な緊張感を、物語に与えている。 冒険小説と軍事小説が うまくミックスされた新ジャンルとも 言うべき物語だった。 (2015年このミス国内第六位)
2015/04/26
馨
夢中で読みました。本当まさに今の中東の話みたいです。ソマリアで自衛官が抗争に巻き込まれる。戦ったことのない隊員たちが戦争をしたらみたいな話ですが始めからドキドキで終わりまで『早く脱出しなきゃ!早く逃げなきゃ』と思いながら読みました。実際こんな(映画『エクスペンダブルス』?)展開はありえないと思います。上官に上松三尉のような立派な人がいるぐらいじゃないかな?あとの人は申し訳ないが前半の津久田みたいになっちゃうと思います。(津久田、後半カッコイイw)新開さん良かったです。武器弾薬・P3C哨戒機も出てます。
2015/03/02
starbro
以前から気になっていた月村了衛、初読です。本屋大賞ノミネート作だけあり、骨太な内容ながら一気読みです。自衛隊の今の状況からすれば十分起こりうる内容で、安倍総理や中谷防衛大臣にも是非読んで欲しいと思います。微かに恋愛小説(花)であったのが救いです。近い内に読む予定の「機龍警察」シリーズも期待です。
2015/03/04
サム・ミイラ
もしパリ同時多発テロの様な事件に巻き込まれたなら私はただ座して死を待つか。愛する家族や友に死が迫っていたら?その時もし手元に武器があったら?私は、戦いたいと思う。使い方が分からなくても。これは訓練で体を鍛え武器の扱いに精通しながらしかし使う事を禁じられた男達の苦悩と闘いの物語。勿論我が国の集団的自衛権の憲法解釈や自衛隊の在り方に一石を投じるものであるがそれを置いても娯楽作として素晴らしい出来栄えだ。文句なしに面白い。いわば自衛隊版七人の侍であり荒野の七人ダイ・ハードといった所か。楽しみな作家がまた増えた。
2016/01/20
ウッディ
海賊対策の後方支援でアフリカに派遣された自衛隊員は、ソマリアの民族紛争に巻き込まれる。容赦ないテロリストの殺戮に次々と仲間が倒れる中で、部族の娘を守り、生きて帰れるのか?息もつかさぬアクションシーンの連続で、一気読みの面白さでした。悲惨としか言いようのないソマリアの現実、貧しくても温かい村の人々との束の間の交流、自衛隊の海外派遣の是非など、重い現実を描きながらも、考える暇を与えないような、エンターテインメント小説で、何より追い詰められてもあきらめない自衛隊員達の格好良さが際立っていました。面白かったです。
2020/06/27
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