風かおる
風かおる / 感想・レビュー
真理そら
再読。そうか楊梅様が登場するくらい話はこの作品だったのか。葉室作品にしては珍しく女性が魅力的ではないという印象は再読時も変わらない。
2021/09/06
えみ
嫉妬、それはやがて憎悪へと変わる。憎悪は轟轟と炎を上げ、容赦なく相手へと襲いかかり焼き尽くす。そして止まることの知らないその炎は何れ己の身をも焼き尽くす。始まりは無垢で純粋な儚い想い。それがほんの一時、魔の誘惑に負けたことによる成れの果ての結末だと思うと遣り切れない。人が人を陥れることの恐ろしさ、怨嗟の連鎖、時に真相は死より惨いこともあるという救いのない悲劇。十年前に敵討の為に国を出ていた菜摘の養父が戻ってきた。しかし彼の帰国は、思いもよらぬ罪深き展開を引き起こす。予想外の闇で動揺が収まらない…。
2020/08/28
Yuna Ioki☆
1726-159-49 潮騒はるかの前のお話。人の欲や嫉妬がこんなにも悲劇を生む結果となるとは当人達は思ってもみなかっただろう。
2017/07/31
keiトモニ
“やはり佐十郎と多佳の間には何かがあるのだ、と菜摘は思った”…う~む、果たしてなんだろう。男女の仲ってことでは…?えっそうなの。しかし竹内佐十郎とやらは、なんとケツの穴の小さき男であろうか。武士の風上にも置けぬ奴め…。それこそ非常に臭い風がかおる、ってことですか。惚れられた多佳さんもいい迷惑だよ。きっとそう思って死んでいったに違いないよ。“楊梅殿の指図であろうからな…” 楊梅っていったい誰?又どなたが鳩首凝議やってるのかなあ、と気を持たせた割に…なんだよ!さて楊梅の色がまこと鮮やかに描かれておりました…。
2015/11/04
とりあえず…
葉室さんの本は『蜩ノ記』しか読んでいないので、イメージは藤沢周平にかぶっていました。そのイメージで読み始めてしまうと、軽さに据わりの悪さを感じます。なのにぐんぐん読めてしまうのは作者の流石の筆力ゆえではありますが。武士ならではの哀しさ、武家の女の辛さ潔さ、それらを感じつつも、ただ、期待していた深い余韻が残らず、なんだかとても残念です。
2016/11/24
感想・レビューをもっと見る