天才
天才 / 感想・レビュー
mitei
著者の石原慎太郎が亡き田中角栄を思って書いた一冊。よく他人の人生をここまで自叙伝の様に書けるのがすごいなぁと思った。
2016/06/12
遥かなる想い
石原慎太郎が描く「田中角栄」。 評伝ではなく、本人になりかわって一人称で 語り続ける。 田中角栄という政治家..やったことは別に すると、政治家としての魅力は確かにあったの だろうと本書を読むと、そう思う。 「俺が」の語りがなぜか可笑しいが 政治史を 田中角栄の視点で書くと こうなるのだろうか。 新たな真実もなく、盛り上がることもなく、 ただ淡々と俺が語り続ける..ひどく奇妙な本だった。
2016/05/28
starbro
同郷の(堕ちた?)英雄に関しては、小さい時から常に関心を持っています。「日本列島改造論」を小学生の時に父に借りて読んだことを想い出しました。今の時代にこそ田中角栄的、天才的な政治家に登場してもらいたいと願っています。最近の田中角栄ブームに乗じて、石原慎太郎がどう描くか期待して本書を読みました。表紙、タイトルは良いですが、中身があっさりし過ぎで、田中角栄の天才ぶりが伝わって来ません。自伝的な形式なので、淡々となるのはわかりますが・・・仕事で一番関わっている法律が田中角栄提案によるものだと初めて知りました。
2016/04/02
徒花
自伝風の小説なので、どこからがフィクションなのかはよくわからない。けっこう昭和後期の政治家が次々と説明もなく登場してくるので、そこらへんに知識がないといろいろわからなくなりそうだけど、きほんてきにはわからなくても大丈夫。んで、読み物としておもしろいのかといえばビミョー。前半、角栄さんが立身出生していくストーリーとか、中国を相手にした駆け引きの場面はおもしろいけれど、ロッキード事件とか国内の政争あれこれになるとつまらなくなる。終盤もちょっと勢いが落ちて、変にグダグダと引退後のことを書いている感じ。
2016/04/08
Yunemo
あれ程までに嫌い、批判してた石原氏が一転して賛辞の意味で書き記します。冷静に実績から言うと、これ程までの政治家が未だに出現していない今日。政治の主体者が保有する権限なるものの正当な行使がいかに重要かつ効果的か、権限の100%活用により世の中を切り開く。大蔵・通算大臣時代の実績が今日脈々と流れている現実、確かに。光と影、両面で第一人者になり過ぎた。特に金の権限の行使により、世論が誘導された経緯は否めず。裏側にある大国米国に切られた、ただそれだけのこと、こういう解釈も。本著による石原氏自身の責任の履行に理解。
2016/08/28
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