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福沢諭吉の『学問のすゝめ』

福沢諭吉の『学問のすゝめ』

福沢諭吉の『学問のすゝめ』

作家
橋本治
出版社
幻冬舎
発売日
2016-06-09
ISBN
9784344029569
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福沢諭吉の『学問のすゝめ』 / 感想・レビュー

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壱萬参仟縁

端的に、諭吉先生は、自分を確立して、政治と向き合えと言っているという(5頁)。彼は人間が平等なことの起源に神を持ち出さず、天の概念を使った(23頁)。日本から見た西洋は蕃だった。慶應義塾は東大より9年早かった(30頁)。学問をして世の中を動かせばいい、と(31頁)。橋本氏は、江戸時代に漢学を知っていた人は、諭吉さんの抽象的なことも理解できたろうと推察されている(50頁)。実学は学問のための学問でなく、実効性のある考えを宿らせる学問。

2016/07/25

道楽モン

ここでも橋本治に助けられてしまうのだ。故人とはいえ、彼の功徳は書物という形で残され、時代を経て私の様なボンクラの足元を照らしてくれる。有り難いことこの上ない。橋本版「学問のすゝめ」講義は、精読ではなく重要点に特化したもので、エッセンスが凝縮された第1章に焦点を当てた構成だ。明治5年当時の時代背景や価値観、福澤の思想的なスタンスなど、書かれていることを正しく受け取るために必要な基礎知識を与えてくれる。この備えが無いと、バカは容易に誤読なり混乱を来すだろう。啓蒙の意味から始まる橋本治の名講義を堪能すべし。

2024/05/28

乱読家 護る会支持!

明治5年から9年にかけて書かれた「学問のすすめ」。まだ国としての形を成していない時代に、当時の学問であった漢文古文ではなく、欧米の学問を学ぶことをすすめた。国、組織、個人が独立するためには学問が必要。。。「独立」「自由」「啓蒙」について、論が進みます、、、学び有る者も、政治に関心なく関わろうとしない者も、民主主義国家では同じ一票。国民が政治に参加しない国家は、いずれ滅びていく。なんか、今の日本は限りなくそれに近づいているような。。。

2016/12/13

蛸墨雄

なるほどなぁ。歴史的背景をしっかり捉えて読み進めないと余計に混乱するということか。橋本さんの解説本は本当に頭がさがるほど深く研究されていて、わかりやすく、勉強になる。原本も読んでみようと思います。

2019/03/18

nizimasu

橋本さんの最近の文章はさえ渡っています。今回もなぜ福沢諭吉なのかということの説明はものすごく丁寧ですらある。そこには勉強の手法ではなく西洋の学問や文化が入ってきた時にいかに処すべきかということがかいてあるという論旨で初めてこの本の意味が分かった気がする。「独立」という新しい考え方は今となっては当たり前だけど江戸から明治に入った時代にはそんなことは頭の中にないだろう。そして西洋にはキリスト教という超えるべき思考のフレームがあったことから啓蒙論に進む当たりは見事な展開。そして民主主義の意味もまた今読むと深い

2016/10/09

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