蜜蜂と遠雷
蜜蜂と遠雷 / 感想・レビュー
starbro
恩田陸は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。当初、二段組、500P超で瞬間怯みましたが、ピアノの旋律の如く軽やかに一気読みしました。最後まで誰が優勝するのか、ワクワクしながら頁を捲りました。先日読んだ「羊と鋼の森」が静だとすると、本作は正に動(遠雷)のピアノ小説です。本作は、今年のBEST20候補、恩田陸のここ数年のMyBESTです。本作で直木賞受賞でも良いかも知れません。幻冬舎刊だから難しいかなぁ(笑)
2016/11/14
しんごろ
国際ピアノコンクールを舞台にした若いピアニスト達の話なんですが、なんなのこの面白さは…!読んでるだけで、自分がコンクール会場のど真ん中に座って、ピアノを聴いている錯覚に!しかも音も聞こえてくるよ~!ステージマネージャー、調律師、審査員といった脇役陣がさらに物語を引き立て、臨場感がすごくある作品になってます(^^)クラシック音楽の知識がなくても、読みはじめたら引きこまれる圧倒的な超弩級の作品です(^-^)
2017/03/07
パトラッシュ
長編小説には数年数十年に及ぶ人や家族の興亡を描く時間型と、最終局面である短期間に少数の人間がぶつかり合う凝縮型がある。恩田陸さんは後者が得意だが、過去の作品ではそこに至るまでのプロセスが曖昧だったり不完全燃焼な部分も残った。本書はピアノコンテストを舞台に青春を音楽に賭ける若者たちのドラマが夥しい言葉で積み上げられていくだけでなく、取り上げられる数十曲の解釈や演奏を日本語で表現するという難業に挑む。知らない曲が多く結末も予定調和的だが、それでも1000枚超を読まされてしまう筆力と構成力は圧倒的な読み応えだ。
2020/08/04
どんふぁん
2017年3月20日読了。こんな大作を読み上げたのは初めてといっていいくらい、読むのにも体力や能力が要ったようにも思います。でも読んだ後の清々しさったらない!マサルや塵やあやの若さ溢れる演奏に心打たれる連続で、本当に楽しかった。YouTubeでこの曲はどんな曲なんだろうと検索して、こんな曲をコンクールで弾いてるのかとビックリしました。曲を聴きながら読んだので、時間がさらにかかったのですが(ただでさえ読むの遅いのですが)、おかげでその曲の雰囲気がすぐに捉えることが出来て良かったと思っています。そしてその曲の
2017/03/20
風眠
「きっと自分はこうなれる」とイメージできることは、叶えられる未来だと私は思っている。映像が浮かぶように具体的にイメージできるということは、そこに辿り着くまでの努力の道筋が分かっているという事だから。ダイヤはダイヤでしか磨かれないように、同等でなければ分かり合えない、孤独と孤独が共鳴する。コンクールのステージで演奏する事を目標に、ピアノと向き合い、己と闘ったコンテスタント達。きっとどこかで、彼らはピアノを弾き続けている。物語のその先を、生き続けている。コンテストの向こうにある、これから叶える未来へ向かって。
2017/11/16
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