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蝮の孫

蝮の孫

蝮の孫

作家
天野純希
出版社
幻冬舎
発売日
2016-12-15
ISBN
9784344030459
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蝮の孫 / 感想・レビュー

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yoshida

美濃の蝮の異名で知られる斎藤道三。その孫である斎藤龍興を主人公に描く。読了して思う事は歴史の多面性。また、勝者が歴史を作るということ。戦国時代において、斎藤龍興は暗愚と評価される。信長に破れ領国を失った。斎藤龍興が父である義龍の急死により家督を継いだのは14歳。ここから7年間、龍興は美濃を維持する。龍興の年齢と経験を勘案すれば、一概に暗愚とも言えないと思う。周りの家臣の助けもあったと思うが、隣国に織田と武田という勢力があるなか、弱年でよく美濃を維持したとも言える。読みやすい文体。歴史の多面性を感じた作品。

2017/09/25

巨峰

斉藤竜興。斉藤道三の孫で義龍の子。父義龍が祖父・叔父を皆殺しにするという複雑な家庭環境で育ち、父義龍の急死後幼くして美濃の国主となるが家臣団をまとめきれず織田信長に美濃国を奪われる。そこまでは史上で有名だけど、その後も竜興は織田家と戦い続けて最後は越前朝倉家に殉ずる形で闘死したのはあまり知られていないと思う。その知られていない先の話をうまく小説化したと思った。竜興を慕う斉藤家旧臣たちや野心を隠しきれない竹中半兵衛などの描き方が出色。天野さんの小説は本当に外れがない。

2018/12/23

さつき

斎藤龍興というと竹中半兵衛に稲葉山城を奪取された件くらいしか知らず、あまり興味を持った事もありませんでした。その時まだ10代だったとは!知らないことばかりで半兵衛(この作品では重治と呼ばれる)と龍興の因縁を中心に描いたこの作品はとても新鮮でした。

2022/08/13

ともくん

蝮と呼ばれた斎藤道三の孫。 暗愚の将、斎藤龍興。 女遊び、酒浸り、怠け者。 美濃斎藤家を潰した男。 朝倉家の客将として、生きる道を選んだ。 己の領地を奪った、織田信長を討つために。 ただ、それだけの為に。 この男、愚将か名将か。

2024/11/08

maito/まいと

タイトルと登場人物だけ見ると「信長嫌い」に入れそうな作品に見えるが読んでみると、むしろ入れてはいけない作品だと感じた1冊。最近の天野さんの著書では珍しく?創作要素が非常に多く、かつハッピーエンドで終わるとは!史実では美濃を追われても信長に抵抗を続ける愚将としてのイメージが強い斎藤龍興を、よくぞここまで見事に描ききるとは、感服です。自分の中では「破天の剣」「覇道の鎗」に匹敵する名作だと太鼓判!竹中半兵衛をもう一人の主人公に据えるストーリーテラーにも脱帽です。

2017/11/14

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