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凶獣

凶獣

凶獣

作家
石原慎太郎
出版社
幻冬舎
発売日
2017-09-21
ISBN
9784344031746
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凶獣 / 感想・レビュー

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あすなろ

神はなぜこのような人間を創ったのか?宅間守の起こした事件を追った石原慎太郎の一冊。慎太郎が描いた宅間守というのもあった。読了し、正しくこの凶獣ともいうべき彼は何故こうなったか?即ち育ったか?という問いに、母性の歪み・先天性のものに対しての性の満たし方は自身の育ちによるもの・虐待あった家族等の要素あり、負の感情の蓄積が成されたとしか言いようはないのであろうか?それしか思い浮かばない。今後、こうした事件が起きぬようにでなく、こうした家族の為に社会がどう関われてサポート出来るか?という陳腐な想いしか出ない。

2018/09/29

それいゆ

「おわりに」の章で「未曾有の事件の記録」ですと書いていますが、わずか200ぺージの単なる記録だなぁ!というのが率直な感想です。石原慎太郎はなぜ今になってワザワザ附属池田小学校事件を書こうとしたのでしょうか?「己の死を強く意識する年齢に至ったせいかもしれぬ」と書いていますが、今ひとつ分かりにくい理由です。犯人の宅間の人物像については、何となく分かったような気がします。

2017/10/09

姉勤

池田小学校事件。宅間守が引き起こした凶悪事件は、どのように生まれたのか。生い立ち、供述、証言、担当した臨床心理士へのインタビュー。宅間の母の予感通り、彼を堕胎していれば、不幸を防げたかもしれない。が、この因果、因縁の救いようのなさは、起こりえたフラグを全部潰せは避け得たのかと考えさせられる。その後、障害者施設襲撃や京アニ放火殺人など、本件が”未曾有”ではなくなった、現実。ナチスや共産党が行った、優生学的「間引き」がさほど悪くないと思えてしまうほど、ヒトの業の禍々さと対峙していく責任とは。

2019/10/04

James Hayashi

著者がノンフィクション?と疑問に思ったが、一部推測を入れ実話を元にした創作(と著者は云うがルポに近い作品)。接見した弁護士や臨床心理士の話を入れ、附属池田小事件の犯人宅間守のバックグラウンドと心理に迫る。強姦や犯罪を何度も犯し人間性のない獣の様な存在。宅間の心理は到底理解できないが、彼に脅迫や強姦もどきにあいながら結婚した女性たちも理解不能。本人も幼少の頃に既にモンスター的な精神が芽生えてきていた事を自覚していた。インドで狼に育てられた子供がいたが、人間として成長できなかった。宅間守もそうなのかもしれない

2019/03/25

そうたそ

★★★★☆ 池田小殺傷事件の犯人宅間守について、残されている資料やインタビュー等による取材から彼の実像に迫った作品。改めて事件のおぞましさが感じられた。短いながらなかなか深い内容になっているとは思うが、やはり本人の刑は執行されており、事件の真相の大半は闇の中というのが残念なところ。その中でもかなり真に迫った内容になっているとは思う。やはり凶悪犯って先天的な要因と生育環境の悪さという条件が合わさったところから生まれるのか。とはいえ、やはりそんな要因があるといっても、同情なんてできるわけもない、当然の如く。

2018/01/19

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