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ありえないほどうるさいオルゴール店

ありえないほどうるさいオルゴール店

ありえないほどうるさいオルゴール店

作家
瀧羽麻子
出版社
幻冬舎
発売日
2018-05-10
ISBN
9784344032927
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ありえないほどうるさいオルゴール店 / 感想・レビュー

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さてさて

『オルゴール店』を舞台にした七つの短編は、人生を先に進んでいくための”きっかけ”、”起点”を得る瞬間を待つ主人公達の物語でもありました。人生の中で迷いの時間を過ごす人達に”ひと筋の光”が射す瞬間を見るこの作品。『人生の大事な場面でたまたま流れていた曲が、心に残ることもある。音楽は印象的な思い出を呼び起こす』。人の心の中に流れる旋律と、それが人生の中で持つ意味合いを鮮やかに物語世界に描き出したこの作品。オルゴールが紡ぎ出す優しい調べの中に、温かく包まれるような優しさを感じる”起点もの”の傑作だと思いました。

2021/11/08

ウッディ

北の町の運河のそばにひっそりとあるオルゴール店。オーダーすると、その人に合ったメロディのオルゴールを作ってくれる、そんな店を訪れる聴覚障害を持つ息子を持った母親、一人旅をすることになった男性等々、謎めいた店主は彼らにどんなメロディを贈ったのか?ほっこりするファンタジーは、まるでオルゴールの音色のように、しみじみと心に染み入ります。特に一人欠けたガールズバンドと最後の老夫婦の話が良かったです。もし自分がこの店に訪れると、どんな曲のオルゴールを作ってくれるのか、そんなことを想像しながらの読書は楽しかったです。

2019/05/24

やすらぎ

誰しも心の底に眠るメロディがある。忘れていたはずなのに海風に乗って聴こえてくる。目を瞑ると灯る思い出が、心の隙間を埋めてくれる。新しい門出を祝い、永遠の別れに静寂を奏でる。運河を挟んだ対岸から響くオルゴールの音色、浮かぶありえないほどの想いが、珈琲の香りに包まれていく。私の中にある閉ざされた小さな箱を開けると、何を奏でてくれるのだろう。ほほえみ、やさしさ、手の温もりに背中を追いかけたあの夏の日。水面に浮かぶ花びらが時の流れを忘れさせてくれた夕暮れ。それぞれの旅路を歩きながら懐かしい旋律が口ずさまれている。

2018/12/31

おしゃべりメガネ

瀧羽さんらしいおっとりとして、ほのぼの&ホンワカな短編集です。とある北の町にある「オルゴールのお店」を舞台に様々な人が、色んな事情を抱えて来店し、店主のすすめるオルゴールでちょっとした奇跡を呼び起こすお話です。似たような作品を読んだことがあるような気もしますが、それはそれで瀧羽さんテイストをしっかり味わうコトで十分に満たされます。オルゴール店主のちょっとミステリアスなキャラや向かいの喫茶店ウェイトレスのキャラもいい感じです。たった1つのオルゴールが人の助けになり、周りの人も救うステキな作品で癒されます。

2018/09/13

takaC

全然違うけど『珈琲が冷めないうちに』を彷彿とさせる話だった。しかし最後まで読まないと意味がわからない題名だ。読み終わるまでうろ覚えだったけど何の問題もなかったから良いっちゃ良いのだけど。今は瑞希ちゃんと2人で鹿児島辺りに移転してオルゴール店やってるわけね。

2018/09/26

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