キッド
キッド / 感想・レビュー
しんたろー
相場さん新作は普段の社会派サスペンスにアクション要素を多く入れ込んだエンタメ色強い内容で「月村了衛さん?」という匂いも漂う。思惑の違う者たちが次第に協力して事件を追う展開も好み。主人公・城戸の魅力をもっと書き込んで欲しかったが、周囲は適材適所で良いし『血の轍』の志水や『トップリーグ』の阪&芦原らが登場して物語に大きく絡むのはファンとしては嬉しい。監視社会の恐ろしさや日中関係の複雑さを考えつつ、小説らしいスケールの大きい描写を楽しめた。決着が付いていない部分もあり、シリーズ化できる筈なので続編を期待したい♬
2019/05/28
mariya926
初読みの作家さんです。ここでの読了数も少なかったのであまり期待していなかったのですが、図書館にあったので借りてきました。かなり話が入り組んでいましたが、読みやすくて面白かったです。今回は国のために動く公安の違う姿を見れた気がします。それにしても公安に目をつけられると素人だったら抜け出せないですね。国を守るということは一筋縄ではいかないことが分かりました。最後がバタバタで集結したのがちょっと残念でしたけど、あっさり終わってしまうのも違う気もしますし…。途中で足を引っ張りまくる大場にはちょっとモヤモヤ。
2020/04/21
修一朗
ちょっと前まで公安といやぁ行確,行確といやぁ尾行と隠しカメラで決まり,だったのに今や凄いことになってる。防犯カメラに繋げて画像認識システムを駆使すれば全国にちらばる行確対象者を把握できる時代なのだ。KIDさん,自衛官時代の能力を発揮して活躍するのかと思えば,追跡ばかりでしかも公安モノにありがちのラストがうやむや,というなんとも消化不良だ。中国の脅威でも自衛隊ミッションでもいいのでそういうのを期待していたので中途半端で単調でした。次作では是非成人したアグネスさんともに香港での華々しい活躍を見たいデス。
2019/04/21
Yunemo
堪能させていただきました。著者の今までの経済面、警察面を融合させての作品となってます。でも範疇から言えば警察小説と捉えられるのかな。自衛隊の特殊部隊、海外傭兵部隊、公安捜査・警察内部闘争、金融マネーロンダリング、米国・中国の間であたふたする日本、憲法第9条の理解、日本国の意思決定機関等々幅広く取り上げて、読んでる方はついて行くのが大変。でも、国民それぞれが大きな監視社会の中で生きてる、ということを改めて実感。ある意味現実離れの作品とも言いきれず。作中人物像が架空の者とも思えず、これが現実との見方もできて。
2019/05/06
fwhd8325
相場さんの作品の中では、今まで以上の硬派な作品だと感じました。現実との錯覚かとも感じる場面もあり、なかなかスリリングでした。欲を言えば、もう少しスピード感があればいいなぁと思います。
2019/08/22
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