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とめどなく囁く

とめどなく囁く

とめどなく囁く

作家
桐野夏生
出版社
幻冬舎
発売日
2019-03-27
ISBN
9784344034464
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とめどなく囁く / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

2017年~2018年にかけて中日新聞他に連載されていたらしい。釣りに出かけた夫の海での突然の失踪。死亡しているのかどうか判然としないまま、それでも7年後には法的に死亡が確定。主人公の早樹は富豪の塩崎と再婚。そこに現れた幻の影…。といったサスペンスなのだが、周囲の状況はそれほど劇的に変化することはなく、小説の妙味はもっぱら早樹の心理の揺れ動きを巡って展開する。桐野夏生にしては限りなく地味な印象だが、練達の筆致は最初から最後まで冴えわたり、一部の弛みも見せない。小説を読む楽しみを堪能できる小説。

2021/12/19

starbro

桐野夏生は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、元夫探し囁きミステリでした。夫婦とは、所詮他人で分かり合えない関係でしょうか?続編もありそうなエンディングでした。我が家は銀婚式はクリアーしましたが、今時金婚式は奇跡的なのかも知れません。

2019/05/20

ウッディ

海で行方不明になった夫が死亡認定され、30歳以上離れた富豪と結婚したヒロインの早樹。仕事を引退し、悠々自適に暮らす夫との生活に安らぎを感じながらも、自分を抑え、窮屈さを感じ始めた早樹の周囲に元夫の影がちらつき始める。早樹について、現夫といるときの従順なイメージと姑や親友との会話からの勝気なイメージにギャップがあり、感情移入しにくかった感じでした。夫の娘からの中傷、知らなかった元夫の生前の行動など、不気味な雰囲気の中で、最後まで読ませてしまう桐野さんの筆力に感心しました。

2019/12/16

Yunemo

何だかなぁ、主人公早樹の心情が理解できぬまま、庸介のふがいなさ、というより男の愚かさかな、を目の当たりにして。夫婦、家族、友人等々、どんな信頼関係を築いていけるのかな。これを読んでると、そもそも信頼関係なんてできるはずがない概念とも想えてしまうもの。見えない実態の不気味さとネガティブな感情の表現に心ザワザワ。戸惑いと疑念が自身の中で膨らんできた時、いったん戸惑いが生まれると、やがてそれは疑念に育つ。疑念は答えを探すために人を動かす。これが「とめどなく囁く」を貫く主張と理解していいのかな、と自分勝手に解釈。

2019/08/15

いつでも母さん

正直言ってここの女たちの誰にも共感出来なかった。桐野夏生だからと期待値上げ過ぎたか?立場が違うだけで考え方やモノの見え方はまるっきり違ってくる。女の心の奥底を見せつけられるのは流石だと思うが。モヤッとしながら最後の元夫からの手紙に開いた口が塞がらない思いだった。ちらつく影は影のままが良かったのにサイテーな男だ。『赦さない』って事は憶えていることだものね・・記憶から消しちゃえ!早樹の8年を返してよ!

2019/05/08

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