作家の人たち
作家の人たち / 感想・レビュー
🐾Yoko Omoto🐾
出版業界の内情をブラックユーモアたっぷりに描いた本作は、巻末に他意の無い悪ふざけですというお詫びがある(笑)勿論フィクションであると強調されてはいるが、出版社への自作押し売り、書いても書いても実入りに結び付かない刷られてなんぼの印税、悪評どころか話題にすらのぼらない作家の悲哀など、多分に誇張はあれど全くの嘘ではないのではと、作家業の難しさが垣間見えるような作品群だった。マイベストは、知名度先行のタレント作家と権威ある賞の内情を皮肉った「文学賞選考会」。実情も案外こんな感じでは?と思わせる「らのべっ」。
2019/06/23
紅はこべ
作者後記で悪ふざけだと言ってるけど、自虐も含めて本音入ってるよね。倉知さん、室井佑月が嫌いなのかな。ラノベのタイトル付けなんて実際そうなんだろうな。映像化されたもの勝ち。ラノベはアニメ化前提なんだろうな。作家や編集者を志す若者を暗い気持ちにさせそう。ラストの書きたいって叫びが倉知さんの心の声だろうな。
2022/02/27
ダイ@2019.11.2~一時休止
短編集。出版業界のブラックユーモア。帯にあるように悪ふざけ?。悪魔のささやきが一番良かった。
2019/05/22
あも
作家にまつわるエトセトラ。ほどよくブラック。小気味よくブラック。ブラックユーモアとはこうでなくてはいかんのである。細々と業界の隅にしがみつく鵺のような作家に取り憑かれた編集者。印税生活の夢と現実。専業作家が絶滅し小説といえばタレント本になった世界…。こんなことあるわけねーよ笑。え、ないよね…?と笑いの後に追いかけてくる奇妙なリアリティに背筋がゾクリ。個人的には一番笑ったのが「らのべっ!」だが、ラノベ大好きな人はどう思うんだろう?この薄ら寒さやっぱり最高。本書のキーマンである作家の倉…なんとかさんに幸あれ!
2019/06/26
aquamarine
作品を書いても本にして貰えず押し売りのように持ち込む「倉ナントカ」という中堅のミステリ作家、印税生活を夢見た新人賞作家は5年目には…等本当にありそうなことから、ラノベや文学賞についてはこんな話を書いて大丈夫?と思えるような爆弾まで、出版業界にまつわる7つの短編です。人により好き嫌いがあると思いますが、ちゃんと配置に気を配っていますし、こういうのもたまにはいいと思います。私は倉知さんのたとえ突拍子もなくても綺麗な本格が大好きです。倉ナントカさんは倉知さんではないようですが、本格の新作も楽しみにしています。
2019/05/12
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