虹にすわる
虹にすわる / 感想・レビュー
ウッディ
東京での仕事を辞め、地元でじいちゃんと修理屋を営む徳井の所に、「一緒に椅子工房をやりましょう」と大学の後輩魚住が転がり込んでくる。何事にも慎重で職人肌の徳井と無鉄砲で発想力が豊かな魚住は、お互いの長所を活かし、弱点を補いながら、納得できる作品を作る、そんな理想的な関係で仕事ができるのはうらやましいが、スキルアップに繋がる恩師からの誘いがあった時、自分ならどんな選択をするのか?と考えながら読みました。全編に流れるほのぼのとした雰囲気でほっこりしますが、一方で内容が薄っぺらいのも著者の持ち味なのでしょうか?
2020/02/12
hiro
読み始める前に初出をみると、ハンドメイド、手作り、クラフト作品を通販・販売できるハンドメイドマーケットプレイスの「Creema」に連載されたWeb小説だった。もちろん「Creema」に訪れた人向けの作品だからか、主人公が故郷で大学の後輩といっしょに始めるのが椅子の工房という設定で、職人が主人公の小説を読むことが少ないので、その点は興味を持って読むことができた。しかし、登場人物たちは驚くほど個性的でもなく、恋愛のパートも期待したほどでもなく、展開も…と、『うちのレシピ』の後では残念ながら物足りなさを感じた。
2019/09/10
chimako
面白かった。男の子(といっても30歳過ぎ)が二人で椅子を作る。甘え上手な魚住とネガティブな徳井。デザイナーの魚住と職人気質の徳井。こういうと凸凹がぴったり合うように感じるけれどそうでもない。でも目指すところは同じ……と思っていたところに驚きの依頼。著名な建築家からの誘い。それは腕の良い職人に向けられたもの。建築家ほしかったのは徳井の腕。どうする?読み手も一緒に考える。おじいちゃんが言う。「椅子作りはちょうどいい。頭もっ使って手も動かす。あとは気持ち」「どんな気持ちで作るかでできばえは変わる」と。どうする?
2021/02/23
みかん🍊
東京を引き上げ一人になった祖父の元で修理屋を手伝っていた徳井のところへ10年ぶりに突然やって来た大学の後輩魚住、昔約束した椅子作りを一緒にやろうと居候を決め込み徳井を巻き込む、ぶつぶつ言いながらもやっぱり二人でする工房が楽しくなってきていた二人に思いもかけない話が舞いこむ、オーダーメイドの椅子は素敵だけど敷居が高いのが現実、ブランド力のまだない二人の工房が経済的にやっていけるのか、夢と現実に悩む二人の今後が楽しみである。
2019/09/17
紫 綺
同じ学校で技術を学んだ先輩後輩、10年来の夢を果たすためにハンドメイドの椅子工房を起ち上げる。性格も技量もまったく違う二人が、互いに補い合い成長していくお仕事小説。恋のエッセンスもほんのり効いてて楽しかった♪
2022/01/23
感想・レビューをもっと見る