探検家とペネロペちゃん
探検家とペネロペちゃん / 感想・レビュー
どんぐり
マッチョな探検家とは相反するデレデレーぶりを見せてくれる娘ペネロペへの愛の賛歌。自分の娘あおちゃんに、ペネロペ(ペネロペ・クルス)と愛称で呼んで、他人からキモイと思われることを知りながら、恥じらうこともなく書いてしまうところがまことにもって偉い。普通の人はこんなことは書かないし、書けない。〈わが子は特別〉〈お前が一番かわいい~〉と、親になったばかりの狂騒状態で躁が極まった親バカの文体が終止炸裂。読み手が恥ずかしくなるような変な本である。娘が成人したときにはどんな関係を築いているんだろう。他人の家のことだけ
2020/02/10
hatayan
子どもを授かった角幡唯介氏が探検家の目線で妻の出産と子どもの成長を綴るエッセイ。「子どもの誕生は衰えゆく自分という苛酷な現実から目をそらすためのセーフティネット」という言い回しには納得。刺さったのは「…生きるとは何か、これらの問題に少しでも触れてもらいたいから子どもを山に連れて行く。そして、私がそれを教えられるとしたら登山を通じてしかない」。『空白の5マイル』で氏が「いい人生とは何か」を熱っぽく語る文章と重なりました。角幡氏の著作を読んできた人にはもちろん、育児に関心がある人にも広くお勧めできる一冊です。
2019/12/24
おかむら
角幡さんの「超」親バカエッセイ。「異様にかわいい」娘(ペネロペクルス並み)が産まれてから4年目くらいまでの様々なかわいいエピソード。ものすごく親バカ。親バカすぎて危ない。後書きで少し我に帰ってる。もう遅い。あーオカシカッタ!
2020/03/03
泰然
父親になった探検ノンフィクション作家・角幡氏の洒脱でストレートな筆さばきと深い思索、娘への愛に溢れたエッセイで、著者の観察力とシンキングする力に敬服する。親と娘に介在するセクシャリティに関する文章があり、ここで評価が二分されるリスクを負っても親と子、男と女の本質のワンシーンを捉えようとする姿勢を評価したい。娘バカな父親エッセイとして読むのも良し、軽妙で深遠な人間論として読むも良しの一冊。我が国のデレデレしない父親論の空気のなか、トライ・エラーの探検家精神で娘と共に新世界への探検に挑む姿は決して軟弱でない。
2020/05/17
ばんだねいっぺい
これを読むと、どれだけのかわいさかとペネロペちゃんに会いたくなる。角旗さんの本でいちばん笑った本。極夜行のこんなユーモラスな裏側が聞けるとはありがたい。
2022/12/28
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