ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと
ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと / 感想・レビュー
ナミのママ
著者の思いが熱く伝わるノンフィクション。「耳の聴こえない親」に育てられた「耳の聴こえる子ども」=「CODA(コーダ)」。著者はまさに当事者で自らの生い立ちから現在までが綴られている。周囲とは違うことから受ける出来事はもちろんだが、当時の感情を思い出して書くのはどれほど辛かったことだろう。それは確実に読者に届いていると感じられる力作。著者初小説の『エフィラは泳ぎ出せない』が良かったので探してみた作品。こちらもすごく良かった。
2022/10/31
ゆみねこ
丸山正樹さんの「デフ・ヴォイス」でコーダと呼ばれる子供たちのことは知っていましたが、この作品の著者・五十嵐大さんはコーダ。当事者でなければ書けないことを分かりやすく綴っています。お母さんの愛情と著者の気付き、良い本でした。
2021/07/25
ゆみきーにゃ
読友さんの感想を読み気になった一冊。揺れ動く自身の想いが痛いほどに伝わってきてすごく良かった。丸山さんのデフヴォイス読まなくちゃ!希望ある終わりで更にいい。
2021/11/20
ひらちゃん
お母さんが好きなのに傷つけてしまう。コーダでなくてもあります。だけど、コーダである孤独に、どちらの世界にも属せないと考えてしまう孤独に、胸が潰れそうになりました。お母さんの過去を知ってからの気持ちはもっといたたまれない。五十嵐さんのお母さんの大きな大きな愛情に言葉もありません。深くて温かくて強くて素敵なひとです。そしてもう1つ、大切なこと。「私たちから出来ることを取らないで」と言ってくれた彼女に頭が下がる思いです。きっと私も同じようにしてしまうと思うから。ほんとにね、共に生きようが一番です。
2021/04/04
kaoru
著者の五十嵐さんは「コーダ」、ろうの両親を持った健聴者。成長するにつれ先天性の聴覚障害者の母を疎ましく思うようになり「親が障害者である」呪縛から逃れようと役者を志すも挫折。東京で手話を再び習い、自分の役割に目覚めた彼は編集者・ライターとしてコーダである自分を積極的に発信するようになった。弱音を吐かず、レストランで手話で会話しただけで「ありがとう」と感謝する母。見守ってくれる祖母や父。「コーダ」の仲間とのつながり。映画『コーダ 愛のうた』や丸山正樹さんの『デフ・ヴォイス』などコーダを扱った作品は多いが、
2023/12/21
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