かくして彼女は宴で語る 明治耽美派推理帖
かくして彼女は宴で語る 明治耽美派推理帖 / 感想・レビュー
starbro
宮内 悠介は、新作中心に読んでいる作家です。 著者の新境地でしょうか、明治文豪耽美ミステリ連作短編集でした。雰囲気は楽しめましたが、ミステリとしてはイマイチです。 https://www.gentosha.co.jp/book/b14133.html
2022/05/16
パトラッシュ
木下杢太郎らを中心とした「パンの会」は文学史上に有名だが、そこを舞台に「黒後家蜘蛛の会にインスパイアされた謎解きドラマ」というキャッチフレーズに惹かれて読むと失望する。探偵役の女中あやのは超能力やファンタジーかと思える回答ばかり提示し、杢太郎や白秋、吉井勇ら参加者も異論を挟まず受け入れてしまう。アシモフはミステリとSFをきちんと区別していたが、こちらはその枠を取っ払ってしまったようだ。せっかく魅力的なキャラが揃っているのに、それを生かしたドラマも展開されない。本家と独立した世界を創ろうと苦心して滑ったか。
2022/03/09
みっちゃん
明治の若手文化人たちが集ったという「パンの会」その席で酒や料理を楽しみながら、謎めいた事件の真相を推理し合うという趣向。最終章では宮内さんらしい驚きもあったのだが、淡々と読み終えてしまったのであった…
2022/04/21
R
実在した文芸サロンを舞台にした、テーブル推理劇。有象無象の芸術家たちが、美とは何かを語るというサロンにて、そういえばこんな不思議なことがあったという謎めいた話を聞いて推理に高じるというのが面白い。登場人物のことをもっと知っているとより楽しめるのかと思えるが、それぞれキャラの立った文人が皮肉めいたり、直観で発言したり、ただ酔っぱらっていたりと好き勝手に展開していくのが面白い。オチが出来過ぎた感が強すぎるけども、総じて面白く読めた。
2022/05/02
ひさか
小説幻冬20年2月11月号、21年1、3、5、7、9月号連載の「牧神に捧ぐ推理」を加筆修正し22年1月幻冬舎刊。菊人形遺聞、浅草十二階の眺め、さる華族の屋敷にて、観覧車とイルミネーション、ニコライ堂の鐘、未来からの鳥、の6つの連作短編。パンの会の集まりが開かれる店で女給のあやのが聞いた話からたちどころに事件の謎を解くのだが…。ちっとも興味を惹かない事件で、謎の解明もありがたくない。あやのって何者?という思いは持続し、楽しめないままラストへ。あやのってそうなの。でも、それがどーした。と思いました。
2022/06/16
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