「私」という男の生涯
「私」という男の生涯 / 感想・レビュー
starbro
石原 慎太郎は、新作中心に読んでいる作家です。波乱万丈の人生をおくった小説家&政治家の自伝、自慢話のオンパレードですが、意外と嫌味ではありませんでした。 著者は自らを何度も好色と表現していますが、「英雄色を好む」と主張したかったのでしょうか(笑) 著者は、特に若い時思いっ切りモテたんでしょうが、今なら完全に文春砲の餌食です。 https://www.gentosha.co.jp/book/b14409.html 7月は、本書で読了です。
2022/07/31
あすなろ
生前4度校正されたという慎太郎氏の自分と妻の死後発売される目的で書かれた自伝。確かに死後公開されるべき内容も含む。老化は一種の希釈化された死であり、最後の未知である死をいつも作品に死の影が差しかけていた私は見つめてみたいとした慎太郎氏。僕は慎太郎・裕次郎兄弟が大好きであったのだが、ここには戦後昭和を痛快に駆け抜けたお二人の、そして兄としての末期がある。結びとして、私の人生はかなり恵まれたものだったと思われるとある。そんな作家・政治家・芸術家・名俳優の兄貴、そして独りの漢としての彼ならではの末期の語りである
2022/07/18
まちゃ
1956年に『太陽の季節』で第34回芥川賞を受賞。昭和の大スター・石原裕次郎の兄。参議院議員、衆議院議員として四半世紀に渡り国政を担い、東京都知事として約13年間都政を主導した政治家。昭和から平成に作家、そして政治家として名を成した石原慎太郎氏が、「自分と妻」の死後に出版するために書いた自伝、というのが気になって手にしました。共感とか感銘は別にして、一時代を駆け抜けた男の回想録として興味深いものでした。「THE 昭和の男」ですね。最後の一文「...死ぬのはやはりつまらない。」
2022/08/07
よしたけ
石原慎太郎遺作書下ろし。幼少期から晩年迄を、裕次郎氏との逸話もふんだんに盛り込まれているが、最も紙面を割くのは数々の女性とのエピソード。自らを好色者と呼び、寛大だった妻には最大限の感謝を述べる。本分だった政治家や作家活動も同志の強い主観の下筆が進んでいる。他方、息子4人はほぼ登場せず、自分本位の人生を楽しんだことが窺い知れる。海の男を自称し、愛する海での瀕死の逸話に比べれば何も怖くはないと言いつつ、晩年を迎え死ぬのは堪らなく怖いと吐露。まさに昭和の生き方、周りに気兼ねなく自分をここまで貫けたら愉快だろう。
2022/09/30
おいしゃん
死後出版する約束で書かれていた自伝。文体も内容も、書いているうちに体力、気力がどんどん衰えていったのかなと感じてしまった。石原慎太郎に特別な思い入れがない人には正直オススメできないが、自分にとってはあの政治の裏にはこんなことが…とか、都知事になってもなお報道されない派手な私生活があったのかといった発見は多かった。
2022/07/16
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