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親父の納棺

親父の納棺

親父の納棺

作家
柳瀬博一
日暮 えむ
出版社
幻冬舎
発売日
2022-08-03
ISBN
9784344039919
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親父の納棺 / 感想・レビュー

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はる

コロナ過で、病院に入院したまま会えずに亡くなってしまった父。作者は、亡くなった人の着替えや死化粧を施す「納棺師」の女性の勧めで、その作業を手伝うことに。それまでどこか現実感がなく、死体をモノのように感じていた作者。だが、その手に触れた時、父親を近くに感じるようになる…。この作品に登場する納棺師、すずさんの仕事に対する姿勢、亡くなった人に対する考え方がとても素敵。亡くなった人だけでなく、その家族までケアする優しさが素晴らしい。素直な文章で綴られた良書。

2022/11/17

がらくたどん

ご感想に惹かれて。コロナの影響下、病院で亡くなられた父上に自宅で筆者と母上・弟君が派遣された納棺師さんの手ほどきでエンゼルケアを施した体験記。病院から死後に「搬送されたボディー」が、最後の衣装を選び・下着から着せ付け・髪や肌を整えるうちに「帰宅した父親」に変わるまでを具体的な手当の一部始終と、控えめだけれど正直な筆者の心情吐露で描く。読み手への感情誘導を極力排した淡白とさえ言える記録なのだが、ご遺体の手を握り「モノじゃない、親父だ」と感じてしまい「おかえり」と心中で呟いてしまう描写で涙がこぼれた。良作。

2022/10/16

ぶんこ

コロナ禍で父親が病死。コロナ禍だったからこその家族だけでの穏やかな時間を持てた。コロナ禍でなかったら、弔問客の相手をして、おざなりな挨拶をしていただろうとおっしゃる。確かに、納骨までは多忙となることが多く、じっくり亡くなった人を思う時間が無いでしょう。エンゼルケアに来られたすずさんによって、父親のケアをすることで三人称だった父が二人称の父となる瞬間を体験できたのです。この本に出会わなければ、遺体は硬いものと思っていたでしょう。関節を柔らかくするためにマッサージをしてケアに命が吹き込まれたようでした。

2022/12/30

クリママ

コロナ渦の2021年、特養、入院で、会うことなく亡くなった父親の葬儀、特に納棺までの様子を綴ったもの。ZOOMで顔を見ることができたが、亡くなった時もそばにいられなかった。死因はコロナではなかったので、自宅での葬儀になる。納棺師の若い女性に勧められ、弟と共に父親の着替え、化粧などをして納棺する。よそよそしく感じていた亡くなった人に触れ、話しかけることで、父親との距離がなくなる。いいなぁと思う。東京ではほとんど病院から斎場だが、もし私が先だったら、自宅に戻ってケアしてほしくなる(大変すぎて言えないけど)。

2022/12/21

Take@磨穿鉄靴

ノンフィクション。死、特に遺体にフォーカスしたお話。ケア、エンゼルケア。死者に対するケア、遺族を対するケア。納棺の過程で三人称の死から二人称の死へ。社会と遺体との関係等を理解しやすい言葉で考察し残した記録。途中養老氏との対話もあり少し贅沢。コロナの影響で変化した社会についての見方もあったり時間が経ってから読んでも当時(今)を思い出すきっかけとなりそうな本。★★★☆☆

2022/09/05

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