ママはきみを殺したかもしれない
ママはきみを殺したかもしれない / 感想・レビュー
さっこ
イヤミスやサスペンス色の強い作品だと勝手に思っていたのでちょっと残念。過去に遡った女性が後悔した育児をやり直すお話。子育てに正解や100点満点なんて無くて、「あの時ああしてあげれば良かった」とか後悔するなんて皆あると思う。子供が笑って暮らせていれば、それで十分。「いいママ」って意識してなろうとすると無理がくるよね。
2023/03/15
sayuri
『ちゃんとしたママ』何度も登場するこのフレーズが、徐々に呪いの呪文のように聞こえて来る。主人公は脚本家として活躍中の美汐。女性が働く事に理解ある夫と一人息子とのマイホームでの暮らしは何不自由ない生活に見える。だが息子の悠に発達障害の疑いがある事が判明し、美汐は自分の子育てを後悔し壊れていく。母性神話に囚われ、自分で自分の首を絞めていく彼女に共感する女性は多いと思う。けれど母親の『ちゃんとした』完璧さを子供が求めているとは思えない。子が安心して過ごせる居場所があればそれでいい。子育てに正解などないのだから。
2023/05/10
おかむら
今度こそいいママに。仕事が大好きで育児は二の次な主人公(40歳脚本家)が7歳の息子の成長具合が気に入らず、もう一回過去に戻って子育てをやり直すことになる。いいママになるために色々やるけどものの見事に全て裏目に出るのがオイオイって感じで面白い(コメディではないけれど)。なぜそんなにいいママに固執するのかとかラストとかはまあありがちかな。著者はBL小説の人だそうで、これが初めての一般小説。これからはイヤミスとかブラックコメディの方を書いていただきたい。
2023/05/12
眠り猫@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
『いい母親』ってなんなんだろう。自分はいい母親なのか。子育てにも母親業にも正解なんてない。だって人それぞれなんだから、親にも子にもみんな同じなんてことはない。でも、初めて母親になると、ついつい正解を求めてしまう。そんな息苦しさを思い出しながら読みました。今になってみれば、自分の子育ての中で、もっとこうすれば良かった、ああすれば良かった、と思うところは沢山あるけど、元気に成長してくれた我が子に感謝しつつ、楽しく会話できる今に満足している自分だからこそ、客観的に読めた気がします。
2023/05/04
煮豆
初読み作家さん。BL界で有名な方のようです。タイトルにインパクトがあると食いついてしまう。7歳の息子を育てる脚本家の美汐。夫も仕事の理解があり家事にも協力的。息子に発達の指摘が入ったことをキッカケに美汐が息子の首に手をかけ、気づくと目の前には一歳の息子の姿が。仕事に注力し息子をかまってやれなかった後悔から、これはチャンスだと良いママになるために奮闘する。子育て描写がリアル。思い通りにならないことばかりでイラつくし気が滅入るのわかる!良いママ信仰は呪いになりかねないし、狂気さえ感じる。文庫化前に読了!
2024/09/19
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