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虚心

虚心

虚心

作家
吉川英梨
出版社
幻冬舎
発売日
2023-03-29
ISBN
9784344040892
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虚心 / 感想・レビュー

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いつでも母さん

前作は読んでない。奈良という刑事のまなざしの変化に長い時間を読み取った。思い込みは怖ろしい。ましてや警察だもの・・真実は何処に。土砂崩れが発生し少年・壮真の祖母が行方不明になった。そこから不法投棄された産業廃棄物が発見されるのだが、それは16年前に蓋をした未解決殺人事件に繋がるのだ。丁寧に紡がれた吉川さんの新作は地味(褒めてます)だが面白く読んだ。でも、ちょっと長かった(汗)

2023/05/06

モルク

土砂崩れにより、施設で働いていた72才の女性が行方不明となった。崩れた土地からは大量の産業廃棄物が発見され、不法投棄されたものとして事件となる。そこに浮上してきた産廃業者は、16年前の最終処分場建設反対派の男性の殺人事件にかかわったいた。第1発見者である社長の息子が犯人と目されていたが結局迷宮入りした因縁のものだった。双方の事件を追う刑事奈良と小山。産廃業者、国籍への偏見、思い込みなどでミスリードされていく。正義を振りかざすことは…。次第に崩れていく世界観。読みごたえあった。自分も先入観の塊だった。

2024/08/06

タイ子

埼玉県警奈良刑事シリーズ第2弾。奈良刑事の新人時代と、16年後が交互に描かれるので色んな意味で面白い。雨で崩落事故が起こり女性が行方不明になる。崩落跡地から出てきた大量の不法投棄された産廃物。この地で起きた16年前の未解決殺人事件との因果関係が?産廃業者と住民たちの軋轢、奈良の執着心が事件解決に向かって動き出す。被害者の孫・壮真の存在がすごくいい。信じるに値する人間を見極めるのは難しい。だが、信じる者も必ずいてくれる。自分の眼が曇っていたなら拭うことをしなければ。人間心理を鋭くついた社会派ミステリー。

2023/05/06

ma-bo

「雨に消えた向日葵」で印象的だった奈良刑事。土砂崩れが起こった現場の原因は不法投棄された産業廃棄物だった。そして奈良が駆け出しの17年前に起こった産廃の最終処理場建設反対派の男性が殺された事件の重要容疑者だった男が関係しているのか?背景に出自や職業に対する偏見があった。奈良刑事の堅実な捜査と、産廃業の実態も分かり読み応え充分の一冊。

2023/08/08

タックン

最近読んだ(雨に消えた向日葵)がよかったのでその流れで奈良刑事物を再読してみた。 降水量が少なかったのに土砂崩れが起きて1人の行方不明者が出た。その土地を調べてみたら16年前に産業廃棄物反対運動絡みで殺人事件が起き迷宮入りした跡地だった。 16年前に新人刑事として捜査をしていた奈良刑事はその再捜査を含め執念の捜査が光る。 真相がわかると作者の巧妙な伏線のミスリードもあるが、やはり題名の(虚心)わだかまりの心に尽きた。 ダイオキシン問題を発端とした環境問題を訴える人の圧力・欺瞞と産業廃棄物への社会の偏見。

2024/01/25

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