パーティーが終わって、中年が始まる
パーティーが終わって、中年が始まる / 感想・レビュー
ゼロ
元「日本一有名なニート」の著者が、シェアハウス「ギークハウスプロジェクト」を止め、一人暮らしをしている中年の心境を赤裸々に語ったエッセイ。著者は、ゼロ年代と令和の空気感が違い、生産性のない人間が許されない時代になっていると感じている。格差社会や高齢化により、ニートがふざけて遊ぶのは許されない空気がある。また40代になり、20代と一緒にシェアハウスをするのに違和感があり、かつ体力の衰えがあり、自由で楽しむことができなくなった。そもそもシェアハウスは、有象無象の人間が訪れる場所で、混沌を楽しめるのは若者の特権
2024/09/22
いっち
若い頃は一人でいたかった著者が、40代半ばになり、若い頃の感覚とは違うかもしれないと、考え方を変え始めた(けど何もしない)という作品。創作を楽しめてるときは、ひとりのほうがいいものを作れるから良かったとのこと。「しかしクリエイティビティが去ってしまうと、残ったのは単なる孤独だった」。「ひらめきがあまり起きなくなり、ひとりでいる時間が楽しくなくなって、世の中の人がなぜパートナーや家族を作るかが少しわかった気がした」。だが著者は変わらない。結局一人が良くて、孤独を演じてるのではないか。ビジネスのにおいがした。
2024/11/12
いちろく
これまでの生き方から大きな変化が描かれているとあり手にした一冊。著者は以前から執筆活動や講演などもされており、ニートのイメージは元々なかった。まず、年齢を重ねるにつれて、立場や状況の変化を自覚した上で素直に認め受け入れている点が本書の主内容。40代になってからの独り暮らしやバンド活動、そして書店員の職と新しい環境にチャレンジしている姿勢は、確かにpha氏のこれまでの生き方からは異なり驚くことばかりだった。年齢的に先を歩くpha氏の意見は、人生の先輩からのイチ意見としても参考になる部分は確かにあった。
2024/10/01
くさてる
なんかいいな、と思った。柔らかくて、やさしいけれど、甘くない、日々を淡々と語る文だった。そこには喪失と変化に伴う諦めがあって、その響きがとても好きだった。みんな年をとる、永遠に若くいられる人間は誰もいない。当たり前の話だけど、みんな、ほんとうは「自分だけは違う」と思ってたんじゃないかな。
2024/09/03
ゆう
あれほど自由に生きていたように見えた著者も、中年の危機という現実に「つかまってしまった」。もやもやした気持ちになる。自分はどうだろう……まだ枯れたくはない。でも、その時は近づいているのかもしれない。「自分、もう枯れましたわ笑」と率直に語る人は少ないからこそ、著者の赤裸々な実感が心に響く。
2024/09/01
感想・レビューをもっと見る