尾張春風伝 上 (幻冬舎文庫 し 2-2)
尾張春風伝 上 (幻冬舎文庫 し 2-2) / 感想・レビュー
hrmt
初、清水作品。八代将軍吉宗の倹約令に真っ向から刃向かい蟄居させられるという尾張七代藩主宗春公。まかてさんの作品でその人物を初めて知って興味を惹かれて本書へたどり着いたのだが、これが思った以上に痛快で面白い(≧∀≦)‼︎上巻ではまだ部屋住みの四男坊。藩主の地位などは一生届かなそうなのに、逆にその境遇を楽しみ自由を愛す。だからといってただ遊び呆けているわけではなく、江戸の民に接し楽しみを生きる力として捉え、政治思想にまとめる手腕はその英邁さを感じさせる。その手腕をどう発揮していくのか⁉︎下巻が楽しみ(^^)♪
2019/03/01
スー
37末っ子で生涯部屋住みで日の目を見る事なく終わるはずだった徳川宗春の青年時代に憧れの江戸に来るところから始まる、よく知らない人物でしたが一発で好きになってしまいました。家のお荷物だが腐る事なくお祭り大好き遊び大好きで見かけたお祭りに飛び込み神輿を担ぐ仲間に入りたい為に武士の格好を捨て飛び込み生まれたからには楽しまなきゃ損だという考えに好感が持てます。テンポも良く次期将軍を目指し裏工作をする紀州との競争や宗春の考え方等どこまで事実なのかわからないけどとても楽しく読めました。藩主になった宗春が何をやらかすか
2022/05/06
リュウジ
★4 この作品は歴史小説?。。。と言いたくなるくらい、軽快な語り口。描くのは、尾張七代藩主徳川宗春。いまどきのライノベ歴史小説とは違い、資料に基づき史実を整理し、自分の見解を加えながら、尾張のアバンギャルドな殿様の生きざまを記していく。いや、生きざまというより価値観かな。享保の改革を行った吉宗と対比するようにわかりやすく人物を描き出していく。例えばP365「醜よりも美を好む。~略~それが生きていく上での彩というものなのだ。その彩のわからぬ人間のことを野暮という」。さぁ、次は藩主となって無茶する下巻へ。
2019/05/10
タツ フカガワ
TV「暴れん坊将軍」で、尾張徳川の宗春はヒール役として刷り込まれていました。本書は尾張側から見た宗春の物語。通春(のちの宗春)は尾張徳川三代藩主の第二十男(!)で、藩主後継になる可能性はまず皆無。その気楽さが通春を自由奔放な人物にしたのか。18歳で江戸へ出て、前の将軍側室に初恋を経験。その間、尾張藩主が二代続けて不審な死を遂げる。また大奥を震撼させた絵島生島事件も尾張側から見ると、その裏側に意外な思惑が見えてくる、という波乱の青春時代が上巻。通春の奔放かつ知的なキャラクターに魅せられつつ下巻へ突入です。
2017/04/02
あこぶ~
朗読勉強会で昨年の課題に指定されたので上下巻を購入(ブックオフで) 内容にはぜんぜん興味なく、自分が担当する部分にルビやアクセント記号をつけてあるのが、今になって興味深い(笑) 感情をこめて読まされることに抵抗を感じていたので、どうか会話文のない箇所が回ってきますように、と祈っていたのだけど、名古屋弁の部分を担当させられたらそれなりに上手いです(笑) んで持ち歩きに適した図書館本が手元になくなっちゃったので、今さらながら読書として読み始めたら、けっこう面白い。例によって家でも読んでしまい読了しちまった。
2019/03/14
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