尾張春風伝 (下) (幻冬舎文庫 し 2-3)
尾張春風伝 (下) (幻冬舎文庫 し 2-3) / 感想・レビュー
hrmt
宗春公とは、気持ちのいい粋な人物だった。常識を打ち破る視点や人間性重視の考え方は当時稀有なもので、だからこそ将軍はもとより、お家大事の家老達に受け入れられなかった。どんな政策だって良い面も悪い面もある。数十年かけて取り組むと心構えた時には既に危うい立場に。残念なのは尾張家の中に、自分のことを理解し後押ししようとする味方や、それを浸透させる勢力を多く作っていかなかったこと。星野織部は忠実な部下だったけど、優秀な参謀とはいえなかったんじゃないか。でもそんな策を弄するやり方はきっと宗春公自身が嫌いそうだ(^^;
2019/03/07
スー
41結末はだいたいわかっていたけどこれほど悲しい結末とは思いもよらなかった。爽やかな春風の様に駆け抜ける宗春でしたが吉宗の政策同様に行き詰まり尾張は気づけば藩士や農民達は借金で首が回らない状態で宗春は仕方なく遊郭と演劇を取締り失望されてしまう、吉宗はそこを突き尾張藩内部をけしかけ宗春を失脚に追い込んでいく。宗春は米が主体の時代に新しい経済を導入しようとするも理解者が少なく表面の派手な部分に魅了され浮かれすぎた結果破綻してしまった。もう少し人材育成に力を入れていたら成功したのではないかと思う。次は吉宗陣営だ
2022/05/19
リュウジ
★4 「歌舞いて羽目を外したバカ殿様と思われているけど、実はすごい」・・・程度の認識しかなかったけれども、まさかその物語は、こんな風に終わるとは。まぁ、著者の解釈なんだろうけど、一本筋が通っていた。宗春、家老たち、将軍、老中、その誰もが悪くない。それぞれが自分の思う“政治”を描き、まっとうしようとした結果が、歴史として残っていく。政治に間違いはあっても正解はないのは、今も昔もそれは同じ。ただ、夢見るのは、宗春が将軍になっていたら、今の日本はどうなっていたのだろうか。信長、竜馬を知った時に似たインパクト。
2019/05/14
タツ フカガワ
兄であり尾張藩主である継友が急死し、通春が藩主となって宗春と改名したのは36歳のとき。宗春は名古屋を遊郭や芝居小屋、祭りなどで民衆を活性化して景気を刺激しようとする。が、時あたかも質素倹約を旨とする享保の改革の真っ最中。ここから宗春と吉宗(幕府)の対立が激化。やがて失脚する宗春だが、その生き方はまさに「暴れん坊藩主」そのもので、じつに痛快でした。
2017/04/05
たなかか
宗春と吉宗 結局経済政策的にはイマイチになってしまったけど、どっちか旨く行けば戦いになったのかもね 付家老軍団は忖度しすぎなんだろうけど サラリーマン社会じゃしょうがないんでしょう。 どっちが正しいかはわからんけど どっちもどっちだし、どっちも良いところある 諦めがさっぱりしてるのは本当に人として憧れるな。近所のお墓参ってみよう
2017/08/20
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