赤い雨 (幻冬舎文庫 と 3-1)
赤い雨 (幻冬舎文庫 と 3-1) / 感想・レビュー
ままこ
表紙からもうゾッとする。ゲスな奴らへの報復は最初は因果応報だと思ったが…。正義を盾にしたお祭り騒ぎのような暴力はエスカレート。自制心のタガが外れたらこうなるんだな。狂気の沙汰なサイコホラー。
2021/06/29
モルク
街に赤い雨が降る。息子がいじめにより暴行されたり恐喝されていた親は、いじめた子そしてその親に制裁を与えまわりもそれを黙認する以上にむしろ喝采する。次第に騒音を出す人、横柄な経営者、宗教家、やくざなどその私刑を与える範囲は広がっていき次第に暴徒化していく。自分の中に鬱憤としてたまっていたものが赤い雨を契機として吹き出し私刑を科す。警察でさえそれを咎めるどころか協力する。最初は小気味いいと思っていたが、みんなで流されていく、その風潮に乗ってしまう姿に現代の怖さを感じた。
2019/07/27
H!deking
ある日街に赤い雨が降る。街では今までマトモだった一般人が野蛮化し、犯罪者をリンチする事件が続発する。子どもを死産したばっかりの主婦、志穂さんは、旦那も野蛮化したことを知り、、、的なお話。いやこれなかなか面白かった!トカジさんには珍しいパニックホラーものだった。相手は人間なんだけど、ウィル・スミスの、えっとタイトルなんだっけな、ゾンビものの映画観ているようなぞわぞわ感があります。あ、アイ・アム・レジェンドね。いやーなかなか読後感悪いな。それはいつものことかw127
2017/10/05
Bugsy Malone
赤い雨が降ることによって人々の中の鬱屈した怒りが解放されて行く。最初はクレーマーやイジメに対し。やがて、それらは徐々にエスカレートし、正義という名の元に行われる暴力と殺戮が日本中に蔓延してゆく。しかし、ここに描かれる怒りの解放に、スッキリしてしまう気持ちがあるのも事実であり、そこがこの本の面白さになっているのだろう。日本には大東亜戦争という体験があるので、世間の風潮というものの怖さをしみじみ感じてしまう作品でもあった。
2015/07/26
Yu。
一体なにが彼らをそうさせるのか‥ きっかけは、赤い雨。。。事の大小を問わず世に蔓延る社会悪に対する弱き者達の憤りが突如自身を狂気へと駆り立てるというパンデミックホラー。我々の感情に根ざした部分を嫌らしく突いてくる様は逆に嫌でなかったりもする、と感じさせる嫌な作品。
2015/06/25
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