地上げ屋: 突破者それから (幻冬舎アウトロー文庫 O 30-7)
地上げ屋: 突破者それから (幻冬舎アウトロー文庫 O 30-7) / 感想・レビュー
姉勤
オリンピックも決まり、また地上げがはじまるであろうと再読。地権者に群がり、工作し、アブク銭を生み出す錬金術。合法非合法も慮外の弁護士、代議士、ヤクザ、詐欺師と黒幕の思惑が入り乱れるバブル時代の一幕。神保町、群馬の田舎町、木場を舞台に繰り広げる権謀術数と享楽。彼らを悪党と嘲るのは簡単だが、彼らは常人以上に頭を使い、気を使い、足を使い、腕を使い、カネを使っている。手も汚さず苦労もせず格差だ平等だと騒ぐ連中よりよっぽどマシな人種だ。しかし一番の悪党は公金注入という国民から大金を盗み些かも羞じない銀行(カネカシ)
2014/02/05
モリータ
◆'98年単行本(『突破者それから』)、'00年文庫刊。◆バブル期に著者が関わった地上げと、金に群がる人物たちを活写。後半は無能な経営者の背後で莫大な資産を横取りしていた弁護士・北澤清隆(仮名、本名は皆川眞寛と思われる)の暗躍を描く。いとも簡単に大金が飛び交い、誰もが何らかの形でバブルに関わっていた時代、金儲け=近代合理主義に突っ走る中で削ぎ落とされていったものこそが人間性にとって大切なものだったのではないか、という話。◆「東洋キネマ」の地上げの話の舞台、神田はよく行っていたあたりなので面白かった。
2021/06/12
ender-san
突破者同様に素晴らしいノンフィクション。突破者は自伝でありつつも、裏昭和史的な読み方ができて面白かったんだけど、こっちもバブルの狂乱がいかに起こったかの仕組みを解説している本として楽しめる。
Gen Kato
バブル期に起きていたことの実態を学ぶ。
2014/06/03
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