月に繭地には果実 中: from CalledターンA Gundam (幻冬舎文庫 ふ 7-2)
月に繭地には果実 中: from CalledターンA Gundam (幻冬舎文庫 ふ 7-2) / 感想・レビュー
Willie the Wildcat
民話『鳳凰の羽根』が転機となり、非合理性を再認識し、その非合理性を合理性の名の下に追い求めるディアナ。感情と欲が入り混じり、心身に折り合いをつけようとしているかのようなウィル/テテス/ギムなどの登場人物たち。結果、禁断兵器に再度手を付ける愚かな人類。かつて「ニュータイプ」と呼ばれた者たちが夢見た絶対平和との対峙が再現する悲しき歴史の繰り返し。加えて、幼馴染3人組キース/フラン/ロランが平時、それぞれの対照にギム/アグリッパ/ディアナが戦時の選択肢を暗示している感。”始まりの樹”の意味とは如何に?
2019/11/08
姉勤
黒歴史。かつて自由に分子をコントロールするような超絶な技術を持ちながら、エゴに用いたことによって人が住めぬような地球にしてしまった人類が、タブーとして封じた情報と技術。数千年の時を経て、その復活のトリガーとなったのは、皮肉にも闘争を望まない月の女王、ディアナ・ソレルだった。彼女が望む人間らしく生きることは、情愛や知恵を生むが闘争本能もまた大きくさせる。核の火が再び地上で爆ぜた時、地球と月双方の民は慄きつつも知恵の実を貪る。業からの解脱。ニュータイプによって造られたマシンを匂わせる、「∀」は人々を度せるか。
2016/03/26
kaida6213
ターンエーノベライズ中巻。細かい感情描写が補足されてるのはさすが福井節。おすすめです。さすがターンエー。しかしてこのペースでほんとに下巻で終わるのだろうか。最終巻に続く。
2015/10/15
よきし
入れ替わった女王。過去に囚われて人生を狂わされた人々の怨念。未知への恐れと憧憬。さまざまな要素が絡まり合う中、中盤に当たるこの巻は物語の全体の見取り図が徐々に明らかになる巻でもある。ロランは何を選ぶのか。ディアナとキエルの求める未来はどこへ行き着くのか。怒涛の最終巻を予感させる不穏な終わりは、平和を叫んだとして、それを実現することが如何に難しいかを改めて我々に突きつけているようだ。
2012/03/26
森矢司
再読。竹取物語を連想させるディアナとウィル・ゲイムの関係が今巻の本筋でしょう。ディアナとキエルの入れ替わり、ムーンレイス、御曹司其々の思惑が事態を混乱させ悲劇的な方向へ進んでしまうのは非常に富野的に思いました。結末は分かっていても最終巻が楽しみ
2013/11/08
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