もう消費すら快楽じゃない彼女へ (幻冬舎文庫 た 12-6)
もう消費すら快楽じゃない彼女へ (幻冬舎文庫 た 12-6) / 感想・レビュー
しあん
強いメッセージ性を感じた。しかしあまりに軽い。それは、作者の精神面が投影されているから。特に自殺した友人についてのくだりは読んでいて怒りすら覚えた。生半可にかかわるならむしろ、放置するべきである。自死のきっかけを作ったことに気づき、罪悪感を持つべきだ。あまりに軽い。
2017/11/02
きなこ
「言葉にしたとたん、現実は姿を変える」。帯にもなっていたこの一文がとても好き。時事的な話題が主なエッセイなので、今となっては古い話題も多いのだけれど、面白かった。幼稚園の頃に、「私は子供の時のことをちゃんと覚えている大人になろう」と決めたエピソードを読んで、私が著者の感性に惹かれる理由がわかった気がした。
2016/10/15
うちこ
この本は2002年に出たもので、当時の事件をきっかけに語りだすトピックが多いので昔のことに感じるかと思いきや、今読むことで世間やメディアの「変わらなさ」が浮き彫りになるような、そんな感覚になります。 「逆さに吊るされた男」を読んだときもそうでしたが、文字を追っている最中に、このエピソードは本当でも嘘でもいいやという気になってくる。著者と同じ視座になれてしまえば即、妙な安心感で最後まで読んでしまう。うれしさと悲しさの同居や揺れがとてもじょうずに書かれており、最後までいっきに読んでしまいました。
2018/06/28
彗星
日常にひそむ希望と絶望がごたごたつめこまれたエッセイ。人間が普通に生きているって奇跡だなって感じました。絶望を感じる人もいるかもしれないけど…。全ては読者の捉え方次第で見方が変わる不思議な本です。
2014/04/03
チエコ
ランディさんのエッセイを初めて読みました。「私の詩集」を売っている三代目の話、不幸のメールの話、すきまに入る女の話、浄化槽のなかで自殺した男の話、などなど。「達者」の不幸のメールは何年か前に私にもまわってきたことがあり、懐かしくもあったけど、いつ読んでも嫌な文章だなと思いました。変な話ばかりなのに、ものすごくリアル。普通に暮らしているときは忘れてしまっているけれど、私たちが生きている世界はこういう世界なんだ、と思わせてくれるエッセイでした。
2011/03/16
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