葉っぱ (幻冬舎文庫 き 3-4)
葉っぱ (幻冬舎文庫 き 3-4) / 感想・レビュー
やすらぎ
水面にうかぶあなたは、しずくをまとって、つかむこともできず、うつる景色は眩しいのに、息もできないまま、沈みとけていく。湖底もまぶしくて、どこまでも迫ってきて、静寂のままなのに、目を瞑って、耳をふさいでも、笑っている。枯葉は壊れやすくて、色さえ忘れて、重なりあって、眠りについている。つめたくて、あたたかくて、うらはら。銀色夏生さんの瞳に吸いよせられて、湧いてくることば。若葉色は一斉に芽吹き、見つめられているけれど、わたしの葉っぱにも風は吹いてくれている、光を注いでくれている。いつ、大人のようになれるのかな。
2024/08/11
ひろちゃん
詩に関しては初心者の私でも楽しめる詩集だった。どちらかというと若い年代の人も共感できる詩が多かった気がする。悲しいうたも、純粋な気持ちも、恋のうたも前に進むうたもあったけど、若い人にとっては一緒に前に進める詩集で、年をとった人には思い出を辿るような感じなのかなと思った。
2016/04/14
masa@レビューお休み中
葉っぱにもいろいろある。丸い葉っぱ、尖った葉っぱ、ギザギザした葉っぱとかもあったりする。形も色も、みんなちがう。同じ木から生まれた葉っぱでも、まったく同じものはない。それはきっと人間も同じなんだと思う。どんなに近しい人でも、まったく同じ状態になることはできないし、すべてを分かり合うこともできない。それは寂しいことではあるけど、同時に尊いことでもあるんだと思う。生まれるときも、死ぬときも孤独であることを、この詩集を読んでいると強く感じてしまうのだ。
2013/05/28
だまだまこ
再読。お風呂でゆっくり読書。人の心はわからないし、自分の心は人には見えない。だけど、私にしか見えないあなたのいいところもあれば、あなたは私の知らない私を知っているかもしれない。とりとめなく色んなことを思い出しながら、色んなことを考える。葉っぱの写真を見ながら、ささやかな心の旅をする。
2019/11/09
ann
僕、君、私、あなた。出会うのも必然。すれ違うのも。一葉の写真はドキリとするほど雄弁。
2016/01/04
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