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転生 (幻冬舎文庫 ぬ 1-1)

転生 (幻冬舎文庫 ぬ 1-1)

転生 (幻冬舎文庫 ぬ 1-1)

作家
貫井徳郎
出版社
幻冬舎
発売日
2003-02-01
ISBN
9784344403246
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転生 (幻冬舎文庫 ぬ 1-1) / 感想・レビュー

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ちょこまーぶる

読みやすい一冊でした。ただ、多くの方の感想に書かれているように、テーマの割にはさっぱり軽めの内容だったような思いを抱きながら読み進めていましたね。勝手に次は次は・・・と期待を膨らませ過ぎた自分にも原因はあるんですがね。でも、そんな感じが深い感情をえぐられ無くて良かったのかなぁ~とも思いましたね。心臓移植の際の「ゴッド・コミュニティー」という闇の選考機関が実際に存在しているとしたら、倫理の崩壊?とも考えられるけど、読み進めると否定しがたい機関でもあるのかな?と納得してしまう感もありました。えっ、実際に存在。

2018/05/23

アッシュ姉

心臓移植を受けた主人公は、手術前との変化に戸惑う。趣味嗜好が変わり、夢に何度も出てくる見知らぬ女性に心惹かれていく。記憶が移ったのではないかという疑問を解決するため、ドナーを探すことを決意する。新たな作風で新鮮に感じた反面、貫井さんらしさはあまり感じられず。裏表紙に「恐るべき近代医学の闇に直面する」とあるが、久坂部さんや帚木さんで鍛えられているせいか驚きはなかった。謎は破綻なく解決されてモヤモヤは残らず、爽やかな読後感というのにむしろ驚いた。

2016/11/15

miww

心臓移植を受けた主人公は術後、自分の趣味、嗜好に明らかな変化を感じる。ドナーの心臓からの転移を確信し、真相を追い二転三転する展開は読み進めるうちにどんどん引き込まれた。一体ドナーは誰なのか?その真相は?臓器移植という医療の位置付け、問題点を深く掘り下げられ読み応えも十分。貫井作品ながら重くなりすぎず読後感は爽やかだった。最近読んだ「灰色の虹」といい、この「転生」といい飽きさせず一気に読ませる貫井さんの作品は面白い。巻末の黒田研二さんの解説には笑ってしまいました。

2016/04/22

臓器移植テーマとし、命について今一度考えさせられる作品でした。心臓移植をした後に、訪れた数々の変化。あるはずのない記憶、持っているはずのない才能。変化する趣味嗜好。それらの謎を追っていく中で、人間の意志とはどこに存在するのか、人の命の重さは他者によって判断されるものなのか、などの問いかけがあり、答えがでないながらも考えるきっかけになりました。貫井さんらしい、重苦しさや後味の悪さがないため呆気なさを感じたものの、読後感もさっぱりとしていて読みやすかったです。欲を言えばもう少しオチに深みがあればなと思いました

2015/05/06

さっこ

普通の大学生だった主人公は心臓移植を受けたあとから、性格や趣向など変わっていく。夢の中の記憶などに引かれ、ドナー家族に接触を試みる。東野圭吾さんの「変身」のほうが変わっていく自分自身への恐怖や切なさなど描かれていて涙を禁じえなかったですが、こちらは移植医療の闇などにスポットを当てていたり命の選別の難しさを描いています。ただ…「変身」のほうが面白かったな。

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