天国への階段 上 (幻冬舎文庫 し 14-1)
天国への階段 上 (幻冬舎文庫 し 14-1) / 感想・レビュー
Tetchy
上中下巻全1,411ページ。それまでの白川作品で最長を誇る本書は過去を追いかけ、そして過去に追いかけられる男の物語。これだけのページが割かれるのはそれぞれの登場人物がj饒舌なまでに語るからだ。それらは我々の日常生活では少し気恥ずかしさを覚えるほどロマンティックであり、そしてセンチメンタルだ。それでもこれだけの長さを誇りながらも全く無駄を感じさせない物語の密度の濃さ。復讐物語であり、かつての恋が再燃する恋愛物語でもあり、そして緻密な捜査に尽力する警察物語でもある。私は本書を読む最中、至福の時を味わった。
2020/10/04
遥かなる想い
ドラマでは柏木を佐藤浩市が演じていたと思うが、原作も飽きさせることがなく面白い。牧場を騙し取られ、父親を自殺に追い込まれ、最愛の女性にも裏切られた男・柏木圭一が、その復讐の為に実業家となり、26年をかけて資産家に復讐を仕掛ける話である。裏切る女性は古手川裕子が演じていたと思う。原作は一気に読める。
2011/04/23
やも
簡単に言えば時間をかけた復讐劇from牧場。読みながら映像が浮かんでくるよう。だから脳内で勝手にキャスティングしながら読んだ。上巻にして早速【天国への階段】ってフレーズが出てくる。ロマンチックだけど、いやこれ絶対切なくなるフラグじゃない!?最終的にどうおさまるんだろう?目的のためには口にしないがそれと分かる取引が多く、読んでて楽しい。ストレートが好きな私には、この寡黙さの奥を読むのがセクシーに感じて仕方ない!事をややこしくするのは、損得勘定だけではない。愛憎や人情だ。続きが気になる、中巻へ急げ🏃‼️★4
2022/05/22
chimako
点と点が結ばれ線になり、その線が肉付けされ面になる。ミステリーの醍醐味を堪能している真っ最中。政界や裏金融の題材も、素人がついて行ける程度のエンタメ感があり苦にならない。殺されたた及川の手紙の途中。さぁ、中巻へ。
2015/08/23
miyumiyu
白川道さん、初読。「ワイルドソウル」を思わせる復讐劇、「砂の器」を思わせる文体と切なさとスケール。かなり好み。点と点、線と線がだんだんつながってきて目が離せない。今すぐ中巻へ!
2014/08/24
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