オルゴール (幻冬舎文庫 な 15-1)
オルゴール (幻冬舎文庫 な 15-1) / 感想・レビュー
左脳
基本的には『しんかい動物園』と同じ動脈を持っている。自分を食いつくそうとする悲しみや憎しみと掴み合う中で、かろうじて記憶の中から拾い得た光の情景を繋ぎ合わせ、弔いの羽根を編むように書いたのでしょう。
2011/06/29
とり
こんなエンディングを告げられるとは、と、それがもたらしたあまりのやるせなさに、何とも言えない無力感を覚えた。ここまでもきれいな心を持った人間が何故苦しまなくてはいけないのだろうか。このお話だけに限らず、あたし達の生きる日常では、確かに汚れることが必要だ。不本意だけれども。きれい、やさしい、だけでは生き抜くことは出来ない。どうしてこんな世の中なのだろう。けれども、そんな小汚い世の中が美しいと思えてしまうというのも事実であって。感性って時にものすごく神秘的で、またある時にはものすごく残酷。きたなくて、きれい。
2010/07/28
雨音
道徳の時間で読む本そのもののよう。章の前に挟まれる写真たちが綺麗。
2015/02/24
鑑真@本の虫
何度読んでも柔らかい。そして、強く考えを改めさせられる。オルゴールと詩、そして自殺。この三つのために私の心は砕かれる。夏目先生の『こころ』の様に、メッセージ性の強い一作として、教科書へと載ってもらいたい。
2012/11/11
鑑真@本の虫
なんとやるせない小説だろう。物語の一言一言が、心に大きな衝撃を与え、ハッとさせる。柔らかさの中、鋭い力をもった名作だと思う。きっと教科書に載ってもらいたい。
2010/01/01
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