安政五年の大脱走 (幻冬舎文庫 い 18-2)
安政五年の大脱走 (幻冬舎文庫 い 18-2) / 感想・レビュー
三代目 びあだいまおう
いやぁ、面白かった‼️超痛快!明治維新真っ只中にこんな大脱走ぶっ込むなんて!悪名高き井伊直弼は、見初めた美女姫を側室にすべく懐刀の長野主膳に案を練らせる。あらぬ謀反の疑いで五十余名を人質に取り、断崖絶壁脱出不能の山頂に幽閉。姫が側室を拒めば全員の死は免れない。逃げるのは不可能、時間もない!ようやく見つけた突破口は命を懸けても遂げられぬかも?姫を想う男達の知恵と奮闘。火傷しそうな熱き企てさえ、すんでの所でまさかの露呈!絶体絶命の超ピンチ!喝采しかない!歴史時代物苦手でもきっと楽しめる超絶痛快エンタメ‼️🙇
2020/12/19
みゆ
すべては若き井伊直弼の一目惚れから始まった。分不相応と一蹴された恋心。時を経て大老となった直弼は思い人の娘に出会い執着爆発!姫と藩士51人を断崖絶壁の山頂に幽閉し、藩士の命惜しくば側室になれと迫る。姫を救うため藩士たちの脱出劇が始まる!という物語。「いくら何でもそれはムリやろ」の脱出方法に苦笑いだったのですが、ラストでどんでん返し。ビックリの方法で見事な脱出でした。でも若き直弼の辛酸を知るだけに、想いを遂げさせてあげたい気持ちもちょっぴりしました(笑)
2021/06/03
財布にジャック
個人的に脱走物には目がないんです。大脱走、ショーシャンクの空に、パピヨン、プリズン・ブレイクを思い出しながら読了しました。時代物とエンターテインメントってなかなか相性が良いんですね。しかし、このオチは「ちょっと、これはないんじゃない?」って違和感を感じてしまいました。相変わらずフィクションの中でも井伊直弼が悪役だったのですが、桜田門外の変の映画を観たばかりなので、妙に納得してしまいました。ホントにこんな人なのかしら?
2011/01/26
ま~くん
「誘拐」「贖い」「炎の塔」等この作家で外れた作品は一度もない。安政の大獄で有名な井伊直弼が、若い頃に見初めた美女の娘を偶然見かけたことから物語は動き出す。手段は選ばず。命を受けた蛇の様に嫌らしい忠臣の謀は完璧だった。周囲は断崖絶壁、刀は没収。人跡未踏の山頂に閉じ込められた南津和野藩の武士50人と商売人1人。そして南津和野藩の姫美雪。直弼の側室にならなければ藩士全員が死罪になると呆れ果てた恫喝をしてくる。猶予は一ヶ月。藩士達は知恵を振り絞り姫を救出すべく途方も無い企てを図るのだが。これを読まずに死ねるか!
2022/03/20
エンリケ
かの名作映画の時代小説版とも言うべき一冊。理不尽な井伊大老の策略で閉じ込められた小藩の藩士達と姫。彼らの知恵と勇気を絞った脱走劇が描かれる。脱走の難易度は映画より遥かに上。それだけに成功のカタルシスも絶大だ。悪役の長野は怜悧で執拗で本当に憎々しげ。対する南津和野藩士は桜庭始め多士済々。更に美雪は才気溢れる美姫。と来れば典型的な勧善懲悪。その王道とも言うべき娯楽的内容を素直に堪能。決して窒息しそうな武士道礼賛では無い所が気に入った。最後のどんでん返しはお見事。初読みの作者さん。他の作品も読んでみたい。
2016/08/27
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