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廃用身 (幻冬舎文庫 く 7-1)

廃用身 (幻冬舎文庫 く 7-1)

廃用身 (幻冬舎文庫 く 7-1)

作家
久坂部羊
出版社
幻冬舎
発売日
2005-04-21
ISBN
9784344406391
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廃用身 (幻冬舎文庫 く 7-1) / 感想・レビュー

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starbro

年始で図書館の配本が遅滞しているため、コミュニティの医療小説BEST投票で上位にランクし、未読の久坂部 羊のデビュー作『廃用身』を読みました。よくデビュー作がその作家のBEST作品であるという説がありますが、本書はそのパターンかも知れません。究極の医療オゾミス、衝撃的な傑作でした。こういう作品を読むと、なるべく早く尊厳死法制を整備して欲しいと、切に思います。私は、廃用身を切断して生き永らえるよりも、尊厳死を望みます。

2021/01/15

ミカママ

ううむ。作者ご本人が現役ドクターということで、パラレルワールドを読まされたような。私が老年になる頃には、日本人の3割が...ということで、考えること多し、にしても読後感は重い。

2016/12/13

青乃108号

【廃用身】麻痺で動かなくなり、回復の見込みのない手足のことをいう医学用語。老人介護の現場の様々な場面で本人並びに介護職員の負担となる老人の【廃用身】。その手足を切断してしまう事によって両者の負担を軽減しようとする試みを【Aケア】と名付け、十数人の老人に対し行った医師の手記が前半パート。読み始めはそんな酷い話が、と眉間に皺を寄せながら読んでいたが、段々とその有用性を信じ始めてしまう。後半パートに移り、信じてしまった【Aケア】が様々な角度から検証され、医師の正体が明かされた時…構成の巧みさにうならされます。

2022/09/16

ちょこまーぶる

大変興味深い内容でした。確かに介護保険が施行される前は、一種の介護保険に対する幻想のようなものも(いい意味で)あったかもしれないが、施行されると同時にその法の化けの皮が剥がれてしまい、より一層将来の介護に対しての危機感が募ったのは、事実だったように思える。この話は、Aケアという一種異常ともいえる施術を通して見事に超高齢化社会における家族・人間・社会それぞれの関係性の中の介護問題を予見し、問題視した作品と言える。見事である。

2013/04/11

nobby

これはまた素晴らしい作品に出逢えた。Aケアなどという存在や後半の様々な事件等は、あたかもノンフィクションを思わせる白熱の展開に一気読み。福祉に10年以上携わっていて、廃用身という言葉も初めて聞いたが、それを切断することによる介護する側される側双方の利点有りという提言は違和感はあるものの簡単には否定出来ない…何より老化・認知症についての描写が現職ケアマネとしても生々しくも読みやすい。それにしても漆原先生の遺書がせつない…

2014/11/12

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