黒龍の柩 (上) (幻冬舎文庫)
黒龍の柩 (上) (幻冬舎文庫) / 感想・レビュー
ehirano1
歴史ものをハードボイルド仕立てで書かせるとその右に出る者はいないと思う北方謙三氏が、新選組を手掛けたという事で否が応にも手に取りました、今更ですが・・・。そもそも新撰組自体がハードボイルドだなんて野暮な事は言わずに、ミスターハードボイルド作家が描く幕末のキングオブハードボイルド「新選組」は期待の上を行くモノで上巻だけで満足してしまいました。
2021/10/12
あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...
北方版新選組。熱すぎず想定していたのもよりも淡白な感じで話は進んで、上巻は慶喜が京都から江戸に戻ってくる辺りまで。近藤、土方等の静かながらも確固とした心の内から見えてくる別れの予感にハラハラし、死に向かう沖田の一途な純真が切ない。このあと、北方は「新選組」をどう仕上げていくのか。下巻へGo!
2019/01/24
優希
北方版新選組。ただ格好良いとしか言えません。土方さん目線で物語は進みますが、そこには様々な男たちの生き様が詰め込まれているように思いました。否応なく飲み込まれていく時代の中で、己の未来と夢を見つめながら駆け抜ける。命を燃やすように走る青春群像劇という感じでした。史実の間の創作的な雰囲気はありますが、こういう視点も新鮮です。土方さんと山南さんの友情もいいですね。欲を言えば試衛館時代の物語も描いて欲しかったですけれど。
2018/04/11
えみ
今、激しく後悔している!何故もっと早く北方謙三作品に触れてこなかったのか。こんな世界観を創造できる作家に何故もっと早く気付かなかったのか。同じ歴史を読んでいるはずなのにそこに拡がる光景はこれまで読んで見てきた景色とは、全くと言っていいほど違う。光沢ある重厚感、一人の男に惚れさせる伎倆、読者の想像に自由を与える絶巧!今までにない「智」の土方歳三がここにいた。山南敬助との言葉を越えた絶対的信頼、勝海舟に坂本龍馬等との密議…乱世の時代に遥か先を見通す力の前で新選組を背負う土方は何を思うのか。心震えた完璧な上巻。
2022/02/18
財布にジャック
今日は土方歳三の命日です。勿論それを意識してこの小説を読みました。三国志や水滸伝や楊令伝ですっかり大ファンになった北方さんが、私の大好きな土方さんを主人公に描いた新選組本という夢のようなコラボレーションです。今まで沢山新選組ものを読んできましたが、北方さんなりの画期的な解釈で、この時代の流れが分かり易いです。勝海舟が準主役級なのも新鮮です。下巻も楽しみなのですが、まだ手元にないので買いに走ります。
2012/05/11
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