ワイルド・ソウル 上 (幻冬舎文庫 か 16-2)
ワイルド・ソウル 上 (幻冬舎文庫 か 16-2) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
タイトルは「荒ぶる魂」といった意味合いなのだろう。そして、そうなったことの感情的な根底にあるものは、「怒り」ではなく「憤り」に他ならない。そのあまりの理不尽さに対する憤りである。かつて、日本政府は何万人もの人たちを移民として南米各国に送りこんでいた。触れ込みは薔薇色の新天地であったが、実態はまさに地獄のような有様だったのである。著者の現地取材に基づいて書かれた日系移民の裏面史が小説の基軸をなしている。エンターテインメントの物語として語られるが、そこに込められた「憤り」は激しく、かつ深い。
2019/02/06
おしゃべりメガネ
とにかくスゴい作品に出会ってしまいました!このハリウッド映画も真っ青な展開は、ハンパではなかったです。上下合わせて約900ページ超過の大作ですが、アッという間に読了してしまいました。悪い意味ではなく、あまり難しいコトを考えずに読めていけるのですが、扱っているテーマはシリアスなモノを扱っています。しかし、決して読んでいてネガティブなキモチにならずにどんどんページをめくりたくなるのは間違いないので、ここ最近‘刺激’的な作品に飢えて?いる方、ガツンときたい方、読書空間に没頭したい方は是非ぜひオススメです。
2010/09/09
遥かなる想い
アマゾン移民を背景に、現代で発生する事件の 前編。移民の苦労を重厚な筆致で描いている。
2010/09/25
修一朗
読メさんたちの評判が抜群だったので,楽しみにしていた。もう興奮しっぱなし…。酷薄すぎる南米移民政策の悲惨な実態を圧倒的なスケールをもって描く前半。現地取材で掘り起した怒りをぶつけてくるような文章,数字の一つ一つが具体的で,まるでドキュメンタリーのようなリアリティをもって迫る。「野菜を作ればいくらでも売れる。」「熱帯は稲の生長も早いから,収穫も楽」 情報のない時代,お上のいうことを信じて人減らし政策に乗せられてアマゾンに渡った人たち‥。世代をまたいだ怒りの鉄槌,これからいくぞってとこで,下巻へ…
2015/04/12
紫 綺
単行本にて読了。昔の外務省の体たらくを初めて知った。現在も根元は変わっていないのかも・・・。
2014/01/25
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