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村上春樹イエローページ 2 (幻冬舎文庫 か 20-2)

村上春樹イエローページ 2 (幻冬舎文庫 か 20-2)

村上春樹イエローページ 2 (幻冬舎文庫 か 20-2)

作家
加藤典洋
出版社
幻冬舎
発売日
2006-10-01
ISBN
9784344408463
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村上春樹イエローページ 2 (幻冬舎文庫 か 20-2) / 感想・レビュー

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ころこ

今更ですが、表面上は加藤典洋の著作にもかかわらず、加藤の文体を持っていないことに気付きました。これが意外と良いのではないか。加藤と村上春樹は1歳違いであまりにも近く、批評の引力に引き寄せられてしまい、かえって次の村上のテクストが読めない事態に陥っていましたが、これだけフラットに展開されない文章の最後の方に結論だけは箇条書きの様に書いてある。村上の次作が出ると、加藤が読まない村上小説が存在するということになりますが、ずっと加藤の批評を読んでいた読者からすると奇妙な事態だと言わざるを得ません。

2021/02/26

Arowana

(メモ1)以下の総括が印象的で読み応えがありました。非常に満足です。“「構造的な文学状況の変質」と加藤が指すものが、もし本当に「構造的」な「変質」であるならば、それはそれを実定的に語る言葉がいまだ存在しないような変質でなければならないだろう。(中略)私たちが「共に欠いているもの」とは何か?それは「存在しないもの」であるにもかかわらず私たちの生者のふるまいや判断のひとつひとつに深く強く関わってくるもの、端的に言えば「生者たちの切迫」という欠性的なリアリティである。(中略)死者が「存在するとは別の仕方で」生者

2017/03/18

なつのおすすめあにめ

スティーヴン・キングやデヴィッド・リンチなど、自分が実際村上春樹作品を読み進めていて頭をよぎった固有名詞が出てきて、オッとなりました。『ねじまき鳥クロニクル』と『国境の南、太陽の西』はバブル崩壊の影響を受け、ホラーテイストが長編に現れるという流れで、これはわかりやすいですね。『ノルウェイの森』と『ダンス・ダンス・ダンス』は、読んでいて、読みきれていなかった所も府に落ちた。もちろん、読んでいてどう感じるかを重視してもいいのですが、作者と同じかそれ以上に時間と労力がかかった考察は読み応えがありますし、楽しい。

2020/06/17

χ

解説本は見方を引きずられるから敬遠してるが巻末に内田樹の文が載ってたので買った(百円だったし)。深読みが面白く尤もらしい。『国境の南、〜』で島本さん(イザナミ)から逃れず抱き取り現実へ連れ帰る、という比喩には感動した。古典を発展させるのっていい。昔話を作り変えるのは芸人のバカリズムのネタでいいのがあったなあ。本当に優れた作家はその時代があまりに欠けてるものを書く、という内田先生の考えは卓見だ。そうでないと心の奥に届かないんだろう

2016/01/24

ばー

われらが加藤典洋の村上春樹研究本、その2。『ノルウェイの森』に対する読解及び批評が秀逸。連綿と続く春樹さんの物語に対する姿勢、思想の一つの解が、鮮やかに示されている。「まあ、そういう読み方もあるわな」というスタンスを失っていけないのはもちろんだけど、やっぱこの説得力には、深く納得せざるを得ない。

2009/11/23

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