記憶の放物線 (幻冬舎文庫 き 18-2)
記憶の放物線 (幻冬舎文庫 き 18-2) / 感想・レビュー
緋莢
マネット・アンセイ『消えた弟』を読んで、停学になった高校時代の友人・T君を思い出し、同級生から職場に来た若い女性が気になると相談を受けて、フィリップ・リード『逃げるが勝ち』を思い出し、バーバラ・ヴァイン『煙突掃除の少年』を読んで、就職試験を受けた頃を思い出す・・・小説の何気ない場面に忘れていた若き日のことが蘇る。過ぎ去った日々を懐かしむ<超うしろ向き>エッセイ集。
2017/10/07
ken_sakura
楽しかった。馬鹿な男ですよね、北上次郎って(ほめてます♪( ´▽`))もし、書かれている身辺雑記が作り話だったら、大馬鹿だよな(ほめてます)、と思いながら楽しく読んだ♪(´ε` )たまに良いことを書いてますが、カッコつけても手遅れ、とも思った(好きですよ、北上次郎(^_^))取り上げられてる本が、癖がありそうというか、一点豪華主義という感じで、とりあえずメモしたけど、どうしたものか、と思うことも楽しい。エッセイ。取り上げられている本は全て翻訳もの。
2017/03/20
新田新一
評論家で『本の雑誌』の編集者でもあった北上次郎のエッセイ集。本が主題になっており、本を読んで心に浮かんだ想いが叙情的に描かれています。非常に読み応えがあって、夢中になって読みました。北上さんは本だけ読んで暮らせたらと思っていたそうです。本書は読書家の理想を体現しており、羨ましくなりました。子供さんたちへの思いが繰り返し書かれており、子煩悩な父親だったことが分かります。ウォーリー・ラムの小説について語りながら、お母様の愛情をさりげなく描いた「通帳」が絶品。昔の日本の母の不器用な優しさが、心に沁みました。
2023/10/02
Tetchy
なぜか『感情の法則』の時に感じたあの同一性が感じられない。あの本を読んだ時、これは北上氏の物語であると同時に私の物語である、そういう気がした。だから非常に共感できた。恐らく、今回はこれは北上氏の物語であって、自分の物語ではないと感じたからではないか?これらは私に訪れる、もしくは訪れないかもしれないまだ来ぬ時間を彼は既に過ごしていた、そういう隔世感を感じたのかもしれない。よく考えたら、この本に収められている話は彼の息子や友人の現在の姿や過去の姿を思い出したものばかりだ。
2010/02/15
たんにゃ
△北上次郎さんは大好きなのですが。。
2013/04/24
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