世界は「使われなかった人生」であふれてる (幻冬舎文庫 さ 18-2)
世界は「使われなかった人生」であふれてる (幻冬舎文庫 さ 18-2) / 感想・レビュー
眠る山猫屋
様々な映画へのアプローチ、逆に映画からのアプローチでもある。試写会での淀川さんの思い出なども散見し、懐かしくも時代の流れに寂しさも感じる・・・。映画との接触感覚は人各々だから、見解が合う時もあれば合わない時もある。なんだか映画友だちと会話しているようで。興味の薄いジャンルの映画にも手を出して観たくなった。そして再視聴したい映画も増えてしまったよ、沢木さん。
2023/03/22
Y2K☮
沢木さんの映画紹介エッセイ。「ロッキー」第一作の最後で号泣してしまう人間性そのままの真っ直ぐで衒いの無い健やかな文章。この人は旅行でも人間でも映画でも必ずいい所を見つけようとする。紹介している作品の全てが満足のいくものではなかったと思うけど、彼なりの視点や受け取り方でしっかり楽しんでしまう。さすが人生の達人。「トゥルーマン・ショー」「日の名残り」「ペイ・フォワード」「運動靴と赤い金魚」を見てみたい。個人的な映画の好みは、暗い真実よりも明るい希望。著者の「一瞬の夏」を映画化したら面白いと思うけど難しいかな。
2015/08/17
フユコ
毎回映画のあらすじを読む事になるのでガーっと読むのは大変だけど、自分が見ないかもしれない映画のあらすじやどこが魅力的かを知れた。余り面白くなかったなと思っていた映画も、ここが輝いていた瞬間だといわれると確かにそうかもなぁと違う見方も自分に加わったのも良かった。いくつか見てみたい映画もできたのでレンタルして見てみたいです。
2022/12/05
manamuse
「暮らしの手帖」に連載していた映画評。沢木さんの文章の優しく読みやすいことったらない。観たことがある作品もいくつかあったが、これを読んだ後にまた観てみたいと思ったし、観たことない作品も観てみたいと思わせる素晴らしい映画評でした。
2020/12/06
neimu
流し読み、斜め読み。題名に惹かれて手にしたものの長い間放っておいた。やっと手にしてみると、それは自分が思っていたような内容ではなく、行きずりの薀蓄家からよもやま話に聞かされたような、何となく薄ぼんやりとした明りのような雰囲気の話で、自分が知っている映画があるにもかかわらず、未知の世界のような、そんな印象を持ってしまった。よくよく考えてみると大きな映画館ではなく、小さなミニシアターでの感慨を一気にたくさん読み連ねたような、そんな感じ。何かしら切なく哀しくそれでいて少しさわやか、ややシニカル、そんな印象の話。
2017/07/03
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