上と外 下 (2) (幻冬舎文庫 お 7-10)
上と外 下 (2) (幻冬舎文庫 お 7-10) / 感想・レビュー
さてさて
緑一色だった上巻の世界が下巻では黒一色に置き変わり、新鮮な冒険・探検を感じられ、書名の絶妙さに納得させられるこの作品。『成人式』を前に迫りくる時間の中、自らの居室で、ただただ、ああだこうだと、くどくどといつまでもいつまでも自問自答をグダグダと続ける練の心の葛藤を描いた箇所など、恩田さんらしさを存分に味わえるこの作品。「人間は何にでも慣れるのだ。どんなひどいことにも。その時は最悪だと思っても、見方さえ変えれば最悪に底はない」という言葉とともに、エンタメ・アドベンチャーを存分に楽しませていただいた作品でした。
2021/05/11
パトラッシュ
(承前)マヤの地下遺跡で絶体絶命の危地に立たされる日本人兄妹と、彼らを救おうと必死に動く両親たち。ファンタジーとリアルの同時進行は息もつがせぬ勢いで、エンタメとしては迫力満点だ。主人公が小中学生なので洞窟内の冒険も派手にはならず、地上のクーデターも流血の惨事ではないため緊張感に欠けるが、とにかくひたすら読まされる。次々と襲いかかる困難を乗り越えて全員が救出されるプロセスは、映画よりも映画的な構成と描写に支えられている。成人式の意味や新国家建設など説明不足も残るが、そんなことを考えるのが野暮な面白さだった。
2022/01/10
ehirano1
いやいや手に汗握って興奮しました、応援しました、感動しました、そして泣きました(44歳のおっさんなのに・・・)。エンディングの「モンジャヤキ、タベニ、キタ」は当方愛読書のゴールデンスランバー(伊坂幸太郎)のエンディングシーン「たいへんよくできました」に匹敵しました。そしてタイトルは秀逸過ぎ!満足てんこ盛りでした。
2017/01/03
aoringo
訪れた中南米でのクーデターの混乱の中、ヘリコプターからジャングルへと振り落とされてしまった、少年と妹。その過酷なサバイバルの末二人は離れ離れになってしまう。下巻ではそれぞれが知恵と力で何とか生き延びようとする様が語られる。おそらくハッピーエンドで終わるだろうという勝手な思い込みでハラハラしながらも、どこか安心して読み進むことができた。若者の粘り強い頑張りに力づけられる思いでした。この二人の命を賭けた冒険は彼らの心にも何かをもたらしたに違いない。少年少女の勇気に拍手!
2022/11/08
TAKA
結構長かったけれど面白かったので納得。ニコに出会ってから練とチカが離ればなれになってからの展開が息つく暇ない。中学生と小学生にしては出来すぎではあるがそれは愛嬌としても前向きに進もうとする二人が頼もしい。成人式はなんだったのかね、まあ、天変地異があったりしてもうなんでもござれの冒険譚です。ハッピーエンドで終わったのでめでたしめでたし。後悔先に立たずか。アニメ化しても面白いとおもうだけどね。
2019/09/17
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