銭ゲバ (上) (幻冬舎文庫 し 20-4)
銭ゲバ (上) (幻冬舎文庫 し 20-4) / 感想・レビュー
みゃーこ
これはもう…。毒性が強い作品だけど社会の人間の中に潜む残酷さと醜さを主人公蒲郡風太郎という主人公が極端な形で表出し読者に「飲め」と突き付けてくる。引き受けようが引き受けまいがこれは一つの現実である。誰もが欺瞞を葬り去った後に残るものの中の真実であることには違いないのだ。銭などというものすらも所詮は人間がすりこんだもの、そしてすべてが幻だとしても。極限の人間の姿を見て育った主人公の顛末がどうなるのか下巻を見届けたい。
2013/09/23
ぐっち
お金に汚い話なのかと思っていたら、ちょっとでも邪魔になったらガンガン殺すお話。今だったらこんな企画通らないだろうな…。風太郎の顔が半分は憎しみにあふれた野心家な顔で、半分は悲しげな顔なのが印象的。
2018/03/31
marmelo
同作家の『アシュラ』からの流れで感じるのは、人は業から逃れられないということ。人は生まれながらに、たとえば時代、国籍、性別、貧富などを自分の希望や意思とは無関係に背負わされ、そうした枠組みの影響から全く自由に生きるという訳にはいかない。風太郎の苦しみの連鎖は彼自身の行動が招いているのは明らか。だからといって彼を見放し切れないのは、やはり読み手が風太郎の背負わされた根源的な不遇を解っているからだろう。彼の目の左右の違いは、彼の中の獣性と人間らしさ、歪んだ視線と真実を見る目の混在を象徴している...のかな。
2017/08/22
アズル
銭のためなら人をも殺し、のし上がっていくダークなサクセスストーリー。けれど、風太郎の真に欲しいものは、美しい容姿の女性の清らかな愛。知人から借りたので、下巻が楽しみです。
2018/07/22
jin
銭ゲバの画風が古臭いばかりではなく、ストーリーも古臭い!さすが40年前の作品だね。でも、今読んでもストーリーは面白い気がする!
2018/07/04
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