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むかしのはなし (幻冬舎文庫 み 12-1)

むかしのはなし (幻冬舎文庫 み 12-1)

むかしのはなし (幻冬舎文庫 み 12-1)

作家
三浦しをん
出版社
幻冬舎
発売日
2008-02-04
ISBN
9784344410954
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むかしのはなし (幻冬舎文庫 み 12-1) / 感想・レビュー

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HIRO1970

⭐️⭐️⭐️本年138冊目。しをんさんは10冊目でした。読み始めは伊坂幸太郎のような展開かなと思いましたが上手く裏切られ、どう読んでも昔話ではなく、むしろ星新一SF的な展開の短編集でナンノコッチャと思いながら読み進めると、むかしばなし=現代のつくり話=しをんさん流のフィクション話の図式が徐々に見えてきました。これは今までの作品とはまた全く違った実験的で軽くパロディ臭のするSFの話です。新たな切り口でオリジナリティー溢れる作品を描き出す著者の才能の底知れなさに羨望と畏敬の念を覚えました。皆さんはどうかな?

2015/12/01

Atsushi

昔話をモチーフにした独立した「短編集」と勝手に思い込んで読み進んだ。いつのまにか、「三か月後、地球に隕石が衝突する」という話になり、最終話へ。読了後やっと気づいた。題名「むかしのはなし」の意味を。人類が滅亡に向かう中、ラストでのモモちゃんの「死ぬことは、生まれたときから決まってたじゃないか。いまさらだよな」とは恐れ入った。著者の技法に嵌められた一冊。でも面白かったなあ~。

2017/06/03

pino

いい意味で裏切られた。6人は、犯罪がらみやら、叶わぬ恋やら、愛に縛られている話を誰かに語る。ちっとも、めでたしめでたしではない。「昔話」は残酷だ。どこぞの性悪ばーさんやら、オメデタイじーさんが、騙し、騙され。見返りに娘をとられたり。人間は懲りずに愛憎を繰り返してきた。だから『むかしのはなし』がザラザラしていても不思議ではないし、むしろ楽しい。でも、不安だ。戻し忘れたレコードの針が溝のない空白を、何度も滑る様に、ザラザラした愛が永遠に続くかと思うと。不治の薬も玉手箱も手元にないので、終わらせる手段もない。

2013/07/02

にいにい

二か月ぶりの三浦しをんさん。7篇の連作短編。読んでいる途中から各話の関連が分かってきて、面白かった。モモのキャラが大好きだ。人は様々な物事を言葉によって把握する。どんな時も、誰もが、言葉をもとに繋がっていたいと思っているのかな。語られることによって、繋げられた物語達。「日本昔話」も過去の誰かの生き様だ。こも本は、今、いや未来の語り継がれる物語。結論は出ない。隕石が来たのか来なかったのか。でも、その前の様々な生き方が心に残る。語り口が興味深い楽しい一冊。

2014/05/27

hiro

しをんさんの本34冊目。直木賞候補になった中短編7篇の小説集。今「昔話」が生まれるとしたら、をテーマにしたということだが、読んでいてもそのテーマはよくわからなかった。後半の作品になり、地球に隕石が衝突するというSF的な共通の設定になり、最後に『懐かしき川べりの町の物語せよ』と『ラブレス』の関係に気づき、面白いけれどちょっと空回りした感じがした。『ダ・ヴィンチ』の三浦しをん特集では、人称問題を掘り下げ、追究。設定は、好きだった少女マンガへのオマージュでもあり、また最も試行錯誤した時期だったとあり、納得した。

2014/02/19

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