禁じられた青春 中 (幻冬舎アウトロー文庫 O 36-7)
禁じられた青春 中 (幻冬舎アウトロー文庫 O 36-7) / 感想・レビュー
さらば火野正平・寺
面白い。『家畜人ヤプー』沼正三の自伝だが、この本は元々「天野哲夫」名義で出された本。天野哲夫は沼正三の代理人であったが、後に「沼正三の正体は実は私だ」と言った人。しかし当時からいまだに「天野哲夫は沼正三ではない」と主張する人は多い。という事はこの本も沼正三の自伝ではない可能性大なのだが、だからと言ってつまらない訳ではない。自伝かつ独特な眼差しで書かれた昭和史である。自伝に興味ない人もこの昭和史部分だけ読むと面白いであろう。半藤一利の『昭和史』張りのわかりやすさである。満州に行った著者。お勧め。
2014/09/30
しんすけ
「集団は変態を造成する」と云う。1930~50年の世界的な兆候であった。ヒトラー、スターリン、ムソリーニ、トルーマン、マッカーシー...と変態を生み出した。現在もその残渣は消えないから、あの時代の狂気を特別のものであったと云うは難しい。『禁じられた青春〈中〉』の背景はそんな時代の前半を描く。 後半では、中国人を人間とは看做さなっかた当時の日本人の姿を描写している。多くの中国人が対日従属に従順で反抗もしなかったゆえに自然に醸成された意識だった。対米従属に反発もしない現代日本人は米国人にとって糞以下らしい。
2015/02/04
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