鬼ゆり峠 下 (幻冬舎アウトロー文庫 O 2-44)
鬼ゆり峠 下 (幻冬舎アウトロー文庫 O 2-44) / 感想・レビュー
マリリン
我慢・辛抱、それが報われない非情さ。下巻は読んでいて本当に辛かった。時代背景が現代でないのが唯一の救い。言葉で言い表せない。このような小説は初めて読んだ。著者が奇才と言われる所以がわかった。本書を読み終えて24時間以上経ち脳裏に浮かぶのは静寂…。時間は全てを過去に葬り、多分鬼ゆりのものであろう香りが何事もなかったように峠を包む。余韻として残る静寂感がこの作品のすばらしさなのだろう。団鬼六作品はまた読んでみたい。
2017/02/09
tan_keikei
責めの地獄物語を読んでいるはずなのに、ユートピア小説を読んでいる気分になった。淫虐の饗宴の贄となった浪路が被虐者嗜虐者全てを結びつけ、ただひたすら美しく哀しい。異様な熱気で脳内がぐにゃりと歪む。
2010/11/21
ニコラス@ケンジ
なぜ間に合わんお殿様 同じことを繰り返しを延々と それこそ地獄の如く 徹底的にいたぶりぬく。 登場人物が多すぎ&長すぎな「花と蛇」より だいぶ(時代のせいもあるだろうけど) スマートに纏まってる印象 ちょっと子供には聞かせられぬ怪談
2022/10/31
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