14歳 (幻冬舎よしもと文庫 7-1)
14歳 (幻冬舎よしもと文庫 7-1) / 感想・レビュー
chiru
弟にすすめられて読んだ、千原ジュニアさんの吉本までの軌跡。進学校に入学後ひきこもった作者は“あしたのジョーのように死にたい”と願う14歳。社会や学校のシステムへの違和感と苛立ち。異分子である自分を壊したくなる衝動。ざわざわする感情を、短い文章で飾り気なく綴っていて読みやすい。見つからない夢を追いかけ、真っ暗なトンネルを手探りで進む背中を、そっと押してくれる一冊。14歳の男子が読んだら、どんなことを思うのかな。もしわたしが男の子だったら、この本をお守りにすると思う。★4.5
2019/10/27
Shoji
千原ジュニアさんの私小説。(おそらくご本人の意志に関係なく)中高一貫の進学校に進んだ千原少年は、ご両親や学校になじめず引きこもりとなる。壮絶な思春期を過ごす。千原少年が苦しむ姿に共感はするものの、どこかに小さな小さな違和感を感じた。あくまで千原少年目線なのだ。大人になって成功したから書ける物語でもある。そんな私はきっと、「なにも分かっていない大人」の側なんだろうな。私は成人した子供を3人持つ身である、にも関わらず、果たして思春期・反抗期の子どもにきちんと対峙できるだろうか。考えさせられた一冊でした。
2018/05/15
maimai
引きこもりの経験を綴った千原ジュニアさんの自伝です。普通を求める大人への反発、人間不振、心を閉ざして部屋に引きこもる中で優しく接してくれるおばあちゃん、将来への不安を抱える中でコンビを組もうと誘うお兄さんの姿に感動しました。引きこもりって最近問題になっていますが解決の糸口を持っているのは家族の優しさなんだと思います。頭ごなしの「外へ出ろ」という周りの言葉より、「何があった」という家族の声がけの方が大切なんだと思います。
2016/08/04
かおり
あの頃の、「自分ではどうしたら良いのかわからない」という気持ちがきちんと言葉で表されると伝わりすぎて痛い。同じ経験をしたわけではないのに、私の気持ちをさらけ出されたような気がして恥ずかしくなってしまった。
2019/06/15
糸車
作者の閉塞感は伝わってきたけれど、知りたかった「なぜ」は伝わってこなかった。それゆえか、作者の母親目線で受け止めてしまったので読み進むのがしんどかった。おかあさん、よく耐えたね、お疲れ様でした。そして弟を外の世界へ引っ張り出した兄がすごいと感心して読了。
2016/08/04
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